信用調査会社エクイファクスは、2017年に発生した大規模な顧客情報の流出に関連して18年はさらに2億7500万ドルのコストを計上する見通しを発表した。両年合わせると企業のサイバー被害関連コストとしては史上最高となる可能性がある。
ロイター通信によると、エクイファクスは17年下半期に税引き前費用1億6400万ドルを計上している。18年の費用には、テクノロジーやセキュリティの刷新、法務費用、ID盗難被害者に対する各種の無料サービスなどが含まれる。18年末までに計上するコスト総額4億3900万ドルのうち、約1億2500万ドルは保険で回収できるという。
17年5〜7月に起きた同社データベースへのサイバー攻撃では、1億4700万人を超える消費者の個人情報が流出した。サイバー被害コストを追跡する調査団体ポネモン研究所のラリー・ポネモン会長によると、政府当局の調査への対応や民事訴訟の費用を含めると全体のコストは6億ドルを超える可能性があり、被害額が史上最も高いデータ侵害になる見込みだという。
エクイファクスは1日、17年10〜12月期の決算発表に併せてサイバー攻撃の被害者数が240万人増えたことを公表した。今後さらに分析が進めば被害者数や盗まれた情報の種類が増える可能性もあるという。17年9月の最初の発表では、盗まれたのは米国、英国、カナダの消費者の個人情報で、氏名、社会保障番号、生年月日、住所、運転免許証番号、クレジットカード番号が含まれると報告していた。
エクイファクスの情報流出には世界中の政治家や消費者団体から非難が集中し、一連の政府調査や上席幹部の退陣に発展している。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる
-
アマゾンや小売大手ら、頻発する返金詐欺で巨額の損害 〜 詐欺集団ら、ティックトックで協力購入者たちを募集
-
2024年4月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 自動車関連
中国の自動車メーカー、慣行覆しEV生産を迅速化
-
2024年3月28日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ウェイモ、テキサス州で社員向けロボタクシー運行