トヨタ自動車は、自動運転技術関連の新興企業への投資を拡大している。
ロイター通信によると、子会社のトヨタAIベンチャーズはこのほど、大学のキャンパスやオフィス街などを低速で移動するための自動運転シャトルを開発しているミシガン州アナーバーの新興企業メイ・モビリティ(May Mobility)に1150万ドル投資することを決め、初回投資ラウンドをリードする企業の1つとなった。この投資にはBMWiベンチャーズも参加している。
トヨタAIベンチャーズは、1年ほど前に設立されたシリコンバレーを拠点とするトヨタのベンチャー部門で、1億ドルの予算を持ち、これまでにボストン、ロンドン、テルアビブなど世界中の新興企業7社に投資している。各社に共通する要素は、自動運転車やオンディマンド配車サービス車を動かす人工知能(AI)、ロボット工学、ビッグデータといった先進技術で、マネジング・ディレクターのジム・アドラー氏は「技術革新がどこで起きているかを把握し、市場の創造的破壊を活用して、そういう変化の兆候を直接知ることがわれわれの任務の1つ」と説明する。
7社の内訳は、ロボット関連企業2社、自動運転車やドローン用地図作成の専門企業、ビッグデータを分析するAI企業、電動エアタクシーの開発会社など。アドラー氏は「自動車業界は技術革新や新しい移動技術の用途の急速な進化に囲まれている。トヨタを含む大手メーカーは、この変化に適応しなければならない」と話す。
メイ・モビリティは、工事や混雑といった変動要因が少なく、すでにデジタル地図がある地域での自動運転マイクロシャトルという分野に焦点を絞っており、トヨタAIベンチャーズのこれまでの投資先より堅実に見える。アドラー氏は「完全自動運転車の実現には何年もかかると考えている。その道はこうしたサービスによって開拓される」と期待する。
メイは2018年内に商用相乗りサービスを発表する計画で、アルファベットの自動運転車開発部門ウェイモも18年、GMは19年に、同様のサービスを始める予定だ。
【https://www.reuters.com/article/us-toyota-selfdriving/toyota-ai-ventures-boosts-investment-in-self-driving-startups-idUSKCN1GA1HR】 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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