米国の週間失業保険申請件数、史上最悪の328万人 ~ 113ヵ月間連続の雇用増終焉は確実

  • 2020年3月27日

米雇用機会は、過去10年間に連続で成長してきたが、それが突然に終わった。米国では先週1週間に328万人が失業保険を申請し、米史上最悪の記録となった。過去最悪は、1982年に記録された1週間に69万5000件。これまでの最多件数の5倍近くに達した計算だ。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、新型コロナウイルス感染者数は米国でこれからも増えると予想されることから、商売閉鎖や外出禁止、外出制限の行政命令によって失業者数は今後も続出することが確実だ。

▽「世界大恐慌でもこれほど大きな雇用喪失は起きなかった」

米技術業界大手らや大企業では、給与補償や時給保障、臨時賞与を提供しているが、ほとんどの中小企業にはその資金力がないことから、解雇や無給休業を余儀なくされている。

3月に入るまで、米国では113ヵ月間連続で雇用が増え続け、その増加数は2200万人という記録的数字に達していた。失業率は2月に3.5%まで低下し、1960年代の好況時とほぼ同じ水準にまで下がった。1980年代以降の米国では約4%の失業率がほぼ完全雇用状態に近いといわれる。

キース・ホール氏は、「今回のような急激かつ巨大な雇用喪失は過去に例がない」と指摘する。同氏は、議会予算局の元局長でジョージ・ブッシュ(息子の方)政権では経済政策顧問を務めた。「世界大恐慌でもこれほど大きな雇用喪失は起きなかった」と同氏は話した。

同氏によると、米国の失業率は20%に達する可能性もある。

▽GEは解雇を決定、アマゾンは大量増員

ジェット・エンジンを中核事業の一つとするGEでは、航空業界が壊滅的打撃を受けていることから受注量が激減するとみられ、米国内従業員の約10%に相当する約2500人を一時解雇する計画を先日発表した。

その一方で、アマゾンやウォルマート、CVSに代表される流通&小売大手らは、オンライン販売の需要急増を受けて、万単位の増員計画を発表している。倉庫や配送センター、配達の臨時要員を雇って需要増に対応する姿勢だ。それらの流通および小売大手らによる臨時増員数は計50万人規模とみられる。

アマゾンは先日、オンライン買い物の激増に対応するために、配送センターの作業員と配達要員として計10万人を臨時雇用する方針を打ち出したばかり。

▽ペンシルバニアがダントツで最多、州別労働人比ではロード・アイランド

過去1週間の失業保険申請件数は、米国の全50州とワシントンDCで急増し、そのうち10州では10万件以上を記録した。もっとも多くの失業保険申請者数を記録したペンシルバニア州では、前週比36万3469件増えて37万8908件に激増した。州内の全労働力の約5.8%が失業保険を申請した計算だ。

★先週1週間における失業保険申請件数が10万件を超えた上位10州

ペンシルバニア ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 37万8908人
オハイオ ■■■■■■■■■■■ 18万7784人
カリフォルニア ■■■■■■■■■■ 18万6809人
テキサス ■■■■■■■ 15万5657人
ニュージャージー ■■■■■■ 15万5454人
マサチューセッツ ■■■■■ 14万7995人
ワシントン ■■■■ 13万3478人
ミシガン ■■■ 12万9298人
ミネソタ ■■ 11万6438人
イリノイ ■ 11万4663人

*出典:労働省

★同期間での失業保険申請件数が州内労働人口に占める割り合いの大きな上位5州

ロード・アイランド ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 6.36%
ネバダ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 5.98%
ペンシルバニア ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 5.79%
マサチューセッツ ■■■■■■■■■■■■■■■■ 3.86%
ミネソタ ■■■■■■■■■■■■■■■ 3.73%

★同期間での失業保険申請件数が州内労働人口に占める割り合いの小さな上位5州

ユタ ■ 0.08%
ジョージア ■■ 0.23%
サウス・ダコタ ■■■■ 0.37%
アラバマ ■■■■■■ 0.42%
ウェスト・バージニア ■■■■■■■ 0.43%

*出典:労働省、ウォール・ストリート・ジャーナル

▽「スカイプではマッサージできない」

もっとも深刻な打撃を受けている業種は、レストランやバー、消費者向け個人サービス(マッサージ、美容、理容、ヨガといった業種)、地域小売店だ。

米国内では多くの州で外出禁止または外出制限が行政命令として発動されている。その結果、それらの業種では休業を強いられており、時給やチップ、出来高制で報酬を得るそれらの業種の従事者らは収入が約2週間前からゼロまたはほぼゼロになった。

アルバカーキー在住のマッサージ・セラピストであるジャクリーン・マーティン氏は、1回あたり60分のセラピーを1週間あたり最多で16回、少なくとも50ドルで提供している。多くの事務職は自宅勤務とインターネット接続で雇用を維持できるが、「スカイプではマッサージできない」とマーティン氏は話した。

【wsj.com/articles/the-long-run-of-american-job-growth-has-ended-11585215000】 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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