業務管理ツール群をクラウド経由で提供するサービスナウ(ServiceNow)は、自社のプラットフォームに蓄積されたデータを生成人工知能アプリケーションで有効活用している。
テッククランチ誌によると、生成人工知能ツールが会社らに価値をもたらすかどうかは、その根底にあるデータがどこまで充実しているかに依存する。そのため、サース(SaaS=software-as-a-service)会社らは、生成人工知能がもたらす新たな力を活用するうえで有利な立場にあると言える。サービスナウは、そのなかでも生成人工知能を早くから積極的に取り入れてきた。
「モデルがプラットフォームの価値以上に大きな価値をもたらすことはない。すばらしいモデルでも、体験や仕事の流れに結びつけられていなければ、何も価値はない」と、サービスナウのクリス・ベディ最高情報責任者は指摘する。
サービスナウは、業務を効率化するための実践的な体験に重点を置いてプラットフォームを構築し、プラットフォーム上で管理するすべての仕事の流れに人工知能を組み込んでいる。
同氏によると、生成人工知能の機能は特に三つの領域に分類できる。第一は、利用者の要望をより体系的に処理して回答できるようにすることだ。第二に、自動化を通じて業務を効率化すること。たとえば、人材資源管理であれ顧客対応であれ、反復の多い作業を効率化して生産性を向上させる。そして第三に、革新を加速させることだ。テキストからコードを生成したり、集団発想法で使った白板の写真を撮って仕事の流れに変えたりするといったことが考えられる。
コンステレーション・リサーチ(Constellation Research)のホルガー・ミューラー分析家は、サービスナウの導入顧客らが、人工知能をめぐって多岐にわたる提携関係を有していると指摘する。そのなかにはエヌビディアやマイクロソフトとの関係も含まれる。サービスナウの採用会社らは一方で、独自の機能を構築することもあれば、既製品の機能を購入することもある。
また、ウィリアム・ブレア(William Blair)のアージュン・バティア金融分析家は、サービスナウが新たに投入したプレミアム製品「プロ・プラスSKUs(Pro Plus SKUs)」に対して需要があるとみている。「価格設定に対して抵抗感があまりみられないということは、顧客が価値を感じていることを意味する」とバティア氏は分析している。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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