人工知能による簿記自動化技術の新興大手ドキットAI(Docyt AI)は7月16日、世界初の人工知能簿記ソフトウェア「ゲーリー(GARY=Generative Accounting RetrievalSystem)」を発表した。
ビジネス・ワイヤーによると、ゲーリーは、精密な予想人工知能モデル群と生成人工知能ツール群を組み合わせ、手作業による帳簿管理作業過程を自動化し、継続的な照合作業によって、中小企業のデジタル・バックオフィスの業務過程を合理化する。
「KPI(Key Performance Indicator)追跡も毎日リアルタイムで実行するため、一般的な会社では月末締めの簿記作業に要する時間を従来の約2週間から45分に短縮できる」「経費管理や売り上げ、利益の計上、業界別報告用KPIのための諸業務の仕事の流れを人工知能で統合し、継ぎ目なしの生態系を形成する」とドキットの共同創設者スィッド・サクセナCEOは話した。
ゲーリーは、簿記会計自動化への革新的な取り組みをもたらす同社の強力なサース(SaaS=software-as-a-service)プラットフォーム上に構築されている。自然言語と人工知能主導の支援機能によって正確な読解力を可能にし、一連の会計処理や簿記の過程を理解し、処理作業を迅速化かつ簡便化する。
ゲーリーは、多くの中小企業や会計士らにすでに採用されているクイックブックス(QuickBooks)と完全に統合されているため、新しい帳簿システムに移行する必要がない。中小企業の約80%はクイックブックスを使っていると見積もられる。
米国では過去10年ほどのあいだに、簿記会計専攻の大学生が減り続けており、経理専門職もそれにともなって減少している。そのため、公認会計士試験の受験者数は毎年7%減っている。
その問題をさらに深刻にしているのは、現役会計士の75%が退職時期を迎えていることだ。米労働省の労働統計局によると、それらの要因やそのほかの要因によって、年間約13万6400人の会計および監査職の欠員が予想される。
ドキットの新たな人工知能簿記サースは、今後も減り続けると予想される会計士や経理担当者たちの仕事を合理化することで、人手不足解消の一助になる可能性がある。
ゲーリーは現在、限定的試験版として一部の顧客会社に提供されている。ゲーリーは、2024年後半から順次更新され、公開版に向けて機能が追加されていく見通しだ。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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