オハイオ州の州都コロンバス市は11月4日、2024年7月のランサムウェア攻撃でハッカーらが50万人の住民の個人情報を盗んだことを確認した。
テッククランチ誌によると、コロンバスは、メイン州司法長官に提出した報告書類のなかで、「外国のサイバー脅威者ら」が同市のネットワークに侵入し、住民の氏名や生年月日、住所、身分証明書、社会保障番号、銀行口座の詳細といった情報にアクセスしたと説明した。
コロンバスは、約90万人の市民が住むオハイオ州最大人口の都市だ。正確な被害人数は不明だが、約50万人が被害を受けたと同市は見積もっている。
コロンバスによると、同市のネットワークは7月18日にランサムウェア攻撃を受け、それを確認したあとに同市のシステムをインターネットから遮断することでさらなる被害を「阻止」した。
今回の攻撃については犯行声明が出ている。2023年に大英図書館を攻撃したランサムウェア犯罪集団のリシダ(Rhysida)は、コロンバスのシステムから6.5テラバイト相当の市民データを盗んだと発表した。そのなかには、「データベースや従業員のログイン情報(認証語を含む)、市の緊急サービス・アプリケーション群を含むサーバー群の予備保存、市内防犯カメラ群経由のアクセス」が含まれる。
リシダはコロンバスに対し、盗み出したデータの対価として身代金30ビットコイン(攻撃当時で約190万ドル)を要求している。
コロンバスのアンドリュー・ギンサー市長は、攻撃から2週間後に、盗まれたデータが「破損」しており、「悪用不可能 」である可能性が高いと述べた。しかし、サイバーセキュリティー研究者のデイヴィッド・リロイ・ロス氏は、コロンバス市民数十万人の個人情報がダーク・ウェブに掲載されていることを明らかにしたため、ギンサー市長の発言の正確性が疑われることになった。
コロンバスはそれに対し、「市の盗まれたデータが共有されるようロス氏が脅かした」と主張し、同氏を9月に提訴した。裁判官はロス氏に対し、盗まれたデータにアクセスできないようにする一時的なデータ・アクセス禁止命令を出した。
テッククランチが調べたところ、リシダは11月4日に、コロンバスから盗んだデータのうち3.1テラバイトの 「売れ残り 」データをアップロードした、と漏洩サイトで主張している。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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