リビアンは、まだ在庫は少ないが、昨年末から電動ピックアップトラック「R1T」とクロスオーバー「R1S」の中古車リース販売を開始した。
オートモーティブ・ニュースによると、新興EVメーカーが生産開始から3年目に始めた中古車販売について、市場調査エドマンズのシニア・アナリスト、アイバン・ドゥルーリー氏は「中古車の提供はブランドが成熟する上で合理的なステップだ」と指摘する。テスラも15年に最初の量産モデル「モデルS」の中古車販売を始めている。「真剣味を見せたければ中古車販売は必須。未経験のブランドを試す消費者は、信頼感が持てる要素をできるだけ多く求める。このプログラムはそれに対応する」。
S&Pグローバル・モビリティーによると、リビアンの「R1」新シリーズの販売は7月に失速しており、R1SとR1Tを合わせた登録台数は前年同月比0.3%減の2522台だった。ベース価格(送料込み)はR1Tが7万1700ドルから、「R1S」は7万7700ドルからで、同社は24年の生産台数(商用バンを含む)を前年比横ばいの5万7000台と予想している。
リビアンのウェブサイトでは、9月23日にカリフォルニア州で、クアッドモーター、大型電池パック、走行距離1万6581マイルのR1Tの中古車が6万2370ドルで販売され、ローンも提供されていた。販売当時の新車価格は8万7000ドルだった。リビアンの中古車は、販売前に同社が検査をし、価格は走行距離と車の状態に応じて決定され、工場出荷時の保証の残りが付いてくる。
◇魅力的な選択肢
EVは、新車時に非常に大きな特典、顧客に有利なリース契約、ローン金利の補助などがある半面、ガソリン車やハイブリッド車と比べて再販価値が短期間で下落する。このため中古車の方が魅力的だといわれ、ドゥルーリー氏は「EVを買うなら、新車をリースするか中古車を買うかのどちらかだ。可処分所得が途方もなく高い人でない限り、誰も新車のEVを購入すべきではない」と言う。
中古車プログラムは、詳細な検査や工場保証で消費者に安心を提供するのと引き換えに、小売業者は価格を高めに設定できるため、利益は大きい。ドゥルーリー氏は「特にEVの場合、価値の急落のせいで新車購入に魅力を感じない消費者がすでにかなりいるため、メーカーが認定中古車プログラムを適切に実施すれば、競合他社を除くすべての人に利益をもたらす」と見ている。リビアンは中古車に延長保証(有料)を提供していないが、いずれ提供されれば大きな利益を生む可能性がある。
同社は、26年に中型電動クロスオーバー「R2」を発売する予定で、「R1」の下取りが進むと同時にリース車両の返却も増える可能性がある。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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