テキサス州オースティン、技術業界での地位に陰り 〜 サンフランシスコとニューヨークの雇用機会が増加

テキサス州オースティンは、技術業界集積都市(技術業界拠点)としての地位を失いつつある。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、同市は過去5年近くにわたり、技術業界の会社らと人材を引きつけてきた。オースティンは、低い税率と高い生活水準を約束し、おもにカリフォルニア州からの流入を多数受け入れてきたが、いまでは人材が東西両海岸地域に戻りつつある。

ベンチャー・キャピタル投資会社のシグナルファイヤー(SignalFire)が最近発行した報告書では、技術大手らによるオースティンでの雇用件数は2024年に1.6%減、新興企業らによる雇用件数は4.9%減となった。

また、テキサス州ダラスおよびヒューストン、さらにコロラド州デンバー、カナダのトロントでも同様に技術業界雇用が減っている。その一方で、ニューヨーク市とサンフランシスコでは技術系雇用件数が増加した。サンフランシスコの技術大手らの雇用件数は2024年に1.8%増、新興企業らの雇用件数は0.8%増だった。ニューヨーク市の人材流入はさらに顕著だ。ニューヨーク市における技術大手らの雇用件数は2024年に2.2%増、新興企業らの雇用件数は3.7%だった。

それは5年前の傾向とくらべると正反対の変化だ。テスラやヒューレット・パッカード・エンタープライズ、オラクルといった大手らがカリフォルニア州から本社を移転し、多数の人材が一緒にオースティンに移住した。しかし、その後、それらの会社の多くが人員を削減した。オラクルの場合、オースティンからテネシー州ナッシュヴィルに移転した。

シグナルファイヤーの調査責任者アッシャー・バントック氏は、多くの技術会社が遠隔勤務を縮小して出社の義務づけを強化したほか、昨今における人工知能ブームがシリコン・バレーへの人材の戻りを刺激している、とその要因を説明した。また、オースティンの生活費の急上昇や老朽化した都市基盤の問題もオースティン離れに加担した、と同氏は指摘した。

新興企業設立者リーザ・コスラヴィ氏は、サンフランシスコから2021年にダラスとオースティンに引っ越したのち、シリコン・バレーに戻った。テキサスとサンフランシスコの文化的違いがおもな理由だ、と同氏は説明した。シリコン・バレーでは革新性と多様性が深く浸透しているのに対し、「オースティンではそれは見あたらなかった」と同氏は話した。シリコン・バレーの人脈構築と学習機会はオースティンとは比較にならないほど大きい、と同氏は述べた。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

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