メタ、雇用合意時に契約金1億ドルという異常な特典 〜 ザッカーバーグCEO、人工知能人材争奪戦をさらに激化

メタ・プラットフォームス(Meta Platforms)の共同創設者マーク・ザッカーバーグCEOが打ち出した人工知能技術人材獲得のための最大1億ドル(約146億円)の契約金に対し、オープンAI(OpenAI)の共同創設者サム・アルトマンCEOは、「そんな提示に乗っかる人材はうちにはいない」とポッドキャスト「アンキャップト(Uncapped)」で批判した。

CEOトゥデイ誌によると、ザッカーバーグ氏の同方針は、班単位での複数の人材に対するものでもなければ、長期的な株式報酬といった特典でもなく、勤務開始前の雇用契約合意時に一人の人材に払われる特別賞与だ。換言するなら、小国の国民総生産にも匹敵する額を一人の人材に対し雇用合意時の契約金(賞与)として払う異常な方針だ。

アルトマン氏による今回の暴露は、シリコン・バレーで炎上を引き起こした。人工知能人材争奪戦を激化させ、人件費の不当な高騰を招き、資金力のある巨大会社が優秀な人材を囲い込むといった懸念が米技術業界内で噴出した。

人工知能技術開発戦争におけるメタの立場は不安定だ。同社のオープン・ソース言語モデル群「ラーマ(LLaMA」は、学術界やオープン・ソース・コミュニティーにおいて好評ながら、最新版のラーマ3は、オープンAIのGPT-5やグーグル(Google)のジェミナイ・ウルトラ(Gemini Ultra)のような法人向け商用モデル群の性能にはおよばず、苦戦を強いられている。

ザッカーバーグ氏はその現状を打破すべく、人工知能人材を自身が直接採用するようになった。雇用合意時の1億ドルという今回の契約賞与は、単なる特典ではなく、生成人工知能の覇権をめぐる激しい競争に対するザッカーバーグ氏の熱意を反映したものといえる。

米技術業界における人工知能人材争奪戦の激化は技術業界全体に波及している。機械学習を専攻する新卒の博士号取得者らは現在、初任給が年間100万ドルを超える場合もある。また、ある技術会社の人工知能研究班が丸ごと他社に買い取られるといった事例も出始めている。

それと同時に、他社に移籍する技術者が一定期間において元の職場と競合しないという従来の競業避止義務が法廷での争点になる例も増えつつある。

ディープマインド(DeepMind)の匿名希望の研究者はそういった状況について、スポーツ選手のフリー・エイジェントと同じだと表現した。人工知能研究者らはもはや単なる工学者ではなく、数百万ドルの価値をテコ利用できる個人ブランドと化し、巨大会社の将来を左右する影響力を持つフランチャイズ選手のような存在だ、とその人物は指摘した。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

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