メキシコで鉄鋼業が成長〜自動車生産の急増で
- 2013年4月25日
- 自動車関連
メキシコの自動車生産が2009年以降ほぼ倍増の伸びを記録する中、鉄鋼各社が同国での生産増強に着手し、総額約30億ドルをつぎ込んでいる。
ブルームバーグ・ニュースによると、同国の鉄鋼大手アームサ(Ahmsa)は、23億ドルの拡張工事をほぼ終了した。テルニウム(Ternium、ルクセンブルク)と新日鉄住金の合弁もさびに強い鉄鋼生産に3億3000万ドルを投資。韓国ポスコも生産能力の倍増へ3億ドルを投じている。
メキシコ自動車工業会によると、GMとフォードに続いて日産自動車やホンダ、マツダ、独フォルクスワーゲンのアウディ部門が同国に工場を開設しており、メキシコの自動車生産は今後も成長が続く見通しだ。
メキシコの鉄鋼生産量は世界13位で、自動車用の亜鉛めっき鋼板は生産量が少ないため、これまでは米国などからの輸入に頼り、12年輸入量は前年比36%増の960万トンを記録した。しかし今後は、メキシコ製の鋼板が輸送費の安さなどからアルセロールミタルやAKスチールが米国で作る鋼板に対抗できるようになる。
ブルームバーグ・インダストリーズの業界調査部門責任者ケネス・ホフマン氏は、「自動車メーカーはサプライヤーに対し、大きな需要を約束して工場の近くに拠点を置くよう求めることが多い」と説明する。フォードも、同社の基準を満たせばメキシコ工場でメキシコ製鋼板の利用を増やすとみられている。
しかし、米国の燃費基準強化に対応するためメーカーは車両の軽量化に努め、鉄鋼より軽いアルミニウムの採用を増やしているため、鉄鋼需要は今後低下する恐れもある。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
グーグル検索を悪用する「マルヴァタイジング」が横行 〜 勤め人たちを罠にかけるなりすまし広告に要注意
-
メキシコ、最低賃金12%引き上げへ
-
2024年12月9日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス, 自動車関連
電池製造新興大手ノースヴォルトが破産申請 〜 巨額の資金調達も経営失敗、会社更生法適用で再生を目指す
-
2024年12月5日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
リビアン、中古EV販売を開始~テスラに続き成長市場に参入
-
米政府、最新の対中技術輸出制限強化策を発動 〜 外国直接製品規則ではオランダ製と日本製は免除
-
使っていない古いアカウントが情報漏洩のリスクに 〜 削除方法は三つ、自分が知らないアカウントも発見
-
2024年11月28日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
飲食店向けロボットは雇用を脅かさない 〜 チポートレ、「協働型」の自動化で分業に照準
-
大富豪マーク・キューバン氏、医薬品業界に風穴を 〜 価格つり上げに激怒、処方薬直販サイトを立ち上げ
-
米実業界、トランプ次期政権に備える 〜 関税や人工知能規制での影響を視野に
-
2024年11月21日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス, 自動車関連
EV充電網の整備進まず~販売失速の要因となる恐れも