医療記録の電子化でメディケア請求額が激増

 連邦政府が10億ドル単位の予算を組んで医療記録の電子化を病院や医師に奨励した目的は、患者の便宜を図りながら業務効率を向上させるだけでなく、医療費用の削減を図るものでもあった。ところが、ニューヨーク・タイムズによると、電子医療記録システムの導入は、実際には医療サービスの低下とコスト上昇を引き起こすことにつながった。ソフトウェアによる自動化がもたらした弊害発生の構造とは。

▽5年前より10億ドル増加

 米国内の病院は2010年に、連邦政府の医療保険制度である高齢者医療保険(メディケア)に関する政府への保険請求額として5年前より10億ドルも多く徴収した。

 米病院案内(American Hospital Directory)の高齢者医療保険データを調べると、病院側が救急病棟の利用に割り当てている代金請求番号を電子化によって変わったことが、その増額に寄与していることが… 続きを読む

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