フカヒレの販売終了〜加州、中国人社会に影響?

 フカヒレの販売を禁じる法律が成立したカリフォルニア州で、今月1日をもって在庫の販売期限も終了し、中国系の料理店や食料品店はついにフカヒレを出せなくなった。
 ロサンゼルス・タイムズによると、加州のジェリー・ブラウン知事は2012年1月、フカヒレの所有、販売、配給を禁止し、違反者に6カ月以下の禁錮と1000ドル以下の罰金を科す州法を成立させており、取扱店は今月1日が在庫処分の期限だった。
 今年1月にはサンフランシスコの業者が、同州法は違憲であり中国文化に対する差別であると連邦裁判所に訴えたが、サメの減少によって海の生態系が脅かされており、フカヒレ売買を禁止すれば需要の低下につながるとの理由から、同法の制定は州の権限の範囲内との判決が下された。
 中国人にとってフカヒレ・スープは、誕生日、宴会、結婚式などの特別行事には欠かせない高級料理で、その歴史は明時代にさかのぼると言われる。フカヒレ自体に味はほとんどないが、最も危険な動物を食することは皇帝の地位と権威の象徴とされた。
 しかし近年は、中産階級の増加に伴い中国でフカヒレを買える層が急増し、水産業界は需要に応えるため、ヒレだけを切り取って傷ついたサメを水中に戻すという残酷な方法でフカヒレを調達するようになった。ヒレの採取のために年間推定7300万頭のサメが殺されているとの調査結果があり、国際自然保護連合(IUCN)によるとシュモクザメなどその数が90%減少した種もある。
 現在、加州のほかハワイ、ワシントン、オレゴン、イリノイ、メリーランド、デラウェア、グアム、サモア、北マリアナ諸島でフカヒレの販売を禁じる法律が発効しており、ニューヨーク州でも法案が審議されている。
 ニューメイン・ソサエティによると、大韓航空や香港のキャセイ・パシフィック航空はフカヒレの貨物輸送を停止しており、中国政府も3年以内に公式行事でフカヒレを出すことを段階的にやめると発表している。

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