銀行の商品現物取引に懸念 FRB、議会がと英紙

 【共同】ウォール街の名だたる銀行が巨額な資金を背景に、原油や天然ガス、石炭、産業用金属など商品現物の取引を活発化させ、価格上昇をあおっていると規制当局や議会の間で懸念が広まっている。22日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(米国版)が伝えた。事情に詳しい筋によると、連邦準備制度理事会(FRB)はここ数週間、金融機関の経営陣らと商品現物の保有禁止について議論を続けてきたという。

 同紙によると、タンカーやパイプラインを通じた原油、天然ガスの現物取引に銀行が関わることを禁止しようとする動きは、これらの取引を歴史的にもうかるニッチ分野とみなしてきた英バークレイズや、米国のゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーなどにとって圧力となりかねない。JPモルガンは3年前に16億ドルでRBSセンプラ・コモディティーズの国際原油・金属・石炭部門を買収し、現物取引を拡大したばかりだ。

 米国は、銀行に先物をはじめとする商品デリバティブ(金融派生商品)の取引を認めている。FRBは2003年にシティグループに原油、天然ガス、穀物の現物保有を認可して商品取引の範囲を拡大させた。ほかの銀行も08年末までに同様の認可を受けた。現在では認可の是非が疑問視されているという。

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