HPとNEC、新型x86系サーバーを共同開発へ 〜クラウド向け事業を強化
- 2013年7月23日
- ハイテク情報
ヒューレット・パッカード(HP)とNECは現行の業務提携を拡張し、次世代のx86系サーバーおよび電算システムを共同開発することで合意した。新製品は、クラウド電算環境やウェブ・アプリケーション開発向けに提供される。
両社の提携は、HPが2011年に発表したプロジェクト「オデッセイ(Odyssey)」の開発速度をさらに速めることを目的としている。
コンピュータワールドによると、オデッセイは、HPがこれまで提供してきたインテル(Intel)製プロセッサー「イタニアム(Itanium)」基盤のユニックス(Unix)サーバーに、NECと共同開発するx86系サーバーを統合することを目指す。
NECは今回の提携において、異なるサーバーを同一キャビネットのなかに統合するシステム「ドラゴンホーク(DragonHawk)」の開発を担当。ドラゴンホークはHPが数年前から開発を進めている。
HPは現在、経営再建の柱としてクラウド電算技術の強化に注力しており、今回の提携もその一環とみられる。HPは、アマゾン(Amazon)が提供するクラウド・サービス最大手のアマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)に対抗し、クラウド・サービスの有力ベンダーになることを狙っている。
HPはその一方で、ハードウェア市場でも競争力を高めるために従来のユニックス製品からの脱却を図っている。当面の目標は、これまで提供してきたユニックス・サーバー製品と同等の信頼性を持つx86系サーバー製品を市場に投入することだ。
HPでは、その標的市場として、ソーシャル・ネットワークやモバイル・アプリケーション、クラウド・サービスを想定している。
HPは2012年に、自社のクラウド向けソリューション「コンヴァージド・クラウド(Converged Cloud)」を基盤に、ハイブリッド・クラウド戦略を発表。さらに先月には、クラウド電算向けOS「HPクラウドOS」を発表している。
そのOSは、オープン・ソースのホスティング・ソフトウェア・プラットフォーム「オープンスタック(OpenStack)」を基盤にしたもの。HPでは当面、同OSを自社製ハードウェアに搭載する方針だ。
かたやNECでも、富士通に対抗すべく、クラウド製品の拡大と販促に注力している。富士通は現在、HPの競合社であるオラクル(Oracle)とクラウド事業での提携を結んでいることから、富士通=オラクルの陣営と、NEC=HPの陣営が米クラウド・サービス大手の追随を図っている構図と言える。
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