アップル、アイウォッチ開発で専門部隊を増強 〜技術障害の克服が狙い
- 2013年7月23日
- ハイテク情報
アップル(Apple)は、開発中の身体装着型機器「アイウォッチ(iWatch)」の設計上の課題を克服するために、新しい人材の雇用を数週間前から積極化させている。
フィナンシャル・タイムズが関係者の話として伝えたところによると、アップルはアイポッドやアイフォーン、アイパッドに続く新たな製品種の開発を狙っており、スマート腕時計をその主力としてを位置づけている。
「iWatch」という名称はすでに商標登録されており、数十人規模の専用人員がその開発に取り組んでいる。ただ、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、開発途中の計画を中止したことが以前にもあり、アイウォッチの開発が打ち切られる可能性も指摘される。
追加要員の雇用拡大はアイウォッチ開発努力の強化を示すと同時に、既存の技術者では解決できない技術的問題にアップルが直面している可能性もあると指摘される。
アップルは最近、ファッション関連や高級品の市場における経験が腕時計市場への参入やブランディング戦略に役立つと見て、イヴ・サンローランのポール・デニーブCEOをクック氏直属の特別プロジェクト担当者に起用したばかり。
また、新興企業の買収による人材発掘も進めている。買収した新興企業のなかに優秀な人材がいないかどうかを調べて、適材を発掘できれば即登用するという手法は、優秀な技術者を獲得するコストが非常に高いシリコン・バレーでは一般的な方法としてIT大手の間でよく用いられるようになった。
ただ、最近のアップルは、株価がピーク時より大幅に下がったため、人材流出を心配するようになった。アイウォッチ開発班の上席技術者も「退社を考えていたが、大幅昇給を提示されてアップルに残ることに決めた」と話す。
身体装着型電子機器市場は、2014年早々にも競争が激しくなる分野とみられる。グーグルやサムスン、デル、マイクロソフトといった巨大IT企業のほかにも、ペブルのような新興企業も進出しており、優秀な人材をどれだけ確保できるかが競争力を大きく左右するとみられる。
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