歩行者の交通事故死が増加〜スマホ普及で注意散漫に
- 2013年8月14日
- アメリカ発ニュース
長年減少が続いた歩行中に車にはねられて死亡する人の数が、ここ数年で再び増加している。
ウォールストリート・ジャーナルによると、運輸省の統計では、1975年に7500人を超えていた歩行中の交通事故死者は2009年に4109人まで減少したが、11年は4432人に増加し、すべての交通事故死(3万2367人)の14%を占めた。特に70歳以上の高齢者が多く、11年は100万人当たり22人と年少者のほぼ2倍だった。
歩行者の交通事故死が増加に転じた要因として、ドライバーと歩行者の両方で、スマートフォンを使いながら運転または歩行するなど注意が散漫になっていることが挙げられる。酒に酔ったまたは麻薬が効いた状態で歩くことも原因と考えられる。
また、近年は車を使わず歩く事を奨励する都市が増えた一方で、都会に戻るベビーブーマーは年を取るにつれて車を運転せず、歩くことが多くなる。
07〜11年の交通事故死の40%を歩行者が占めたワシントンDCで、自動車保険業界団体の道路安全保険協会(IIHS)が行った調査によると、ドライバーの信号無視、速度違反、歩行者に道を譲らないといった理由から、住民の約9割が「市内の道路は歩行者にとって危険」と回答した。
DCの警察によると、交通監視カメラの設置などで歩行中の死者数は07年の25人から12年には8人に減少しており、カメラの数は今後も増やされる予定。
一方、ニューヨーク州では11年に不注意運転による事故死者数が2万5000人を超え、飲酒運転絡みの死者(4628人)を大幅に上回った。このため同州の警察官は、テキストしながら運転しているドライバーを見つけただけで停止を命じられる権限を与えられている。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ