アカマイ、セキュリティ事業が大幅成長 〜CDNサービス価格低下を補完
- 2013年9月4日
- ハイテク情報
コンテント配信網CDN(content delivery networkまたはcontent distribution network)サービス最大手のアカマイ・テクノロジーズ(Akamai Technologies)は、通信網向けセキュリティ製品の売上高が2012年の約2000万ドルから2013年に3000万〜4000万ドルに増大する見通しを明らかにした。
投資銀行パイパー・ジャフレイ(Piper Jaffray)が報告した。セキュリティ需要の強まりを反映した動向と言える。
インベスターズ・ビジネス・デイリーによると、2013年におけるアカマイのセキュリティ関連売上高は同社売上高全体の2〜3%にとどまる見通しだが、パイパー・ジャフレイはセキュリティ顧客数の大幅増加に注目している。
アカマイは6月末時点におけるセキュリティ事業の顧客数を、直前四半期から30%増の650と発表。全事業の顧客数は約4500だった。
マッコーリー・キャピタル(Macquarie Capital)のアナリストはアカマイのセキュリティ・サービス「コナ(Kona)」について、2020年までに同社全体の売上高50億ドルという同社目標の達成に寄与すると指摘。アカマイの2012年売上高は13億7000万ドルで、目標達成のためには年間平均成長率17%または18%の実現が必要だ。
アカマイは、データ・トラフィック増加の一方で、従来型CDNサービスの価格が年率15〜20%低下するという課題を抱えており、セキュリティ事業強化の背景には、そういった事情があると指摘される。
ウェブ・セキュリティに対する需要はインターネット系企業や金融サービス会社を中心に高まっている。同市場にはチェック・ポイント(Check Point Software)やパロ・アルト・ネットワークス(Palo Alto Networks)といった新興大手が乱立する。
通信機器製造大手シスコ・システムズ(Cisco Systems)も7月に、ソースファイヤー(Sourcefire)というセキュリティ技術企業を27億ドルで買収することで合意、同市場に参入することを明らかにした。データ・センター向け機器提供のF5ネットワークス(F5 Network)も、セキュリティ市場に参入している。
アカマイのトム・ライトン最高経営責任者(CEO)は自社のセキュリティ事業の特徴について、「(サイバー攻撃を)データ・センターに到達するはるか前に阻止することにより、従来の方法では不可能だった大規模攻撃にも対処する」と述べ、その優位性を強調する。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ