同じ年収でもここまで違う?! 手取りベースで考えるアメリカのキャリア設計【求職者向け】【採用企業向け】

「今回の転職では年収をアップさせたいです!」


仕事を変えるからには、納得のいく額面でジョブオファーを受け取りたいと思うのは当然ですよね。

しかし一方で、「給与は上がったのに、生活は楽にならない・・・」
そんなことが起こり得るのが、ここアメリカです。

住む場所や条件の影響が大きい米国では、年収の“高さ”だけではなく、実際にいくら手元に残り、どんな生活ができるのかという視点が欠かせません。
特に州ごとの税制差や生活コスト格差が拡大する昨今、これからの転職ではこの視点がますます重要になってきます。Elon Musk 氏が、2020年に州所得税のないテキサスへ移住・経営拠点を移したのも有名な話。

本記事では、在米で働く方が転職やキャリア判断をする際に知っておきたい「手取りと可処分所得を軸にした転職・キャリアの考え方」を解説します。

1. 年収だけ見ていると見落とすもの

まず整理したいのが以下3つの言葉。

  • 年収(Gross Pay):雇用契約やオファーレターに記載される「税引き前」の給与総額
  • 手取り(Net Pay):税金・社会保障費などを差し引き実際に受け取る給与 ※Take-home Pay / After-tax Incomeも同義語
  • 可処分所得(Disposable Income):手取りから、生活固定費を差し引いた後に自由に使えるお金

アメリカでは、給与から以下のような項目が差し引かれます。

  • 連邦所得税
  • 州所得税(州によってはなし)
  • Social Security / Medicare
  • 医療保険の自己負担
  • 401(k)などのリタイアメント拠出

年収と実際の手取りが異なるのは、日本もアメリカも同じです。ただしアメリカの場合、

  •  医療保険やリタイアメント拠出は「自分で選んで支払う」仕組み
  • 州によって税率が大きく異なる

という違いがあります。つまり、オファー額(Gross Pay)が同じでも、州・保険プラン・拠出設定によって手取り(Net Pay)は大きく変わるのがアメリカの特徴です。日本よりも「自己設計型」の要素が強いため、アメリカでは「年収いくらか」よりも「手取りはいくらか」を見ることがより重要と言えるでしょう。

2. 年収100Kの手取りイメージ(単身編)

前提条件を以下の通りで、比べてみたいと思います。

同じ年収でも、州によって年間で$5,000〜10,000以上の差が出るとは驚きですね。

Tips:あなたの推定手取りは?
US Salary Caluculatorのように、おおよその手取り額を簡単に試算できる無料ツールも複数あります。あくまで概算ですが、州ごとの税制差を把握するには十分参考になります。よろしければ活用してみてくださいね。

3. 年収100Kの可処分所得イメージ(子育て家庭編)

では実際に、生活に自由に使えるお金はどれくらい残るのかを見てみましょう。
本ケースでは、州・地域差が大きいアメリカの二大固定費「住居費(家賃)」「教育費(Preschool)」を含み、比較してみたいと思います。

同じ年収でも、生活コストの違いにより、毎月使えるお金に $700〜$2,800 以上の差があります。
あくまで上記は、食費や交通費、通信費などを含まないうえ、世帯収入や家賃もミニマムな前提での試算です。それでも州によっては、ほとんど手元に残らないケースがあるのが現状です。

4. アメリカでの転職戦略

では、こうした前提を踏まえた上で、転職やキャリア選択では何を意識すべきなのでしょうか。

ポイントは条件全体を見ること

「年収を上げる」ことだけを目的にするのではなく、手取り・可処分所得ベースで“条件全体”を見ることが大切です。以下はすべて、実質的な手取りと生活安定度に直結する要素です。

  • 他州へのリロケーションが可能な場合、州税の有無
  • 住宅費が高騰しているエリアかどうか
  • リモート勤務の可否、居住地を選べるかどうか
  • 医療保険の会社負担割合
  • 401(k)マッチの有無

同じ年収オファーでも、福利厚生や勤務地条件次第で「実際の豊かさ」には大きな差が生まれます。「いくらもらうか」ではなく「どういう条件で働くか」まで含めて設計することが、アメリカでの賢いキャリア戦略と言えるでしょう。

日系企業の傾向

正直なところ、日系企業のオファーは、外資・米系企業と比べると年収額は見劣りするケースも少なくありません。しかし、手取り・可処分所得の観点で見ると、実はトータルでは悪くない、むしろ安定感が高いケースも多く見られます。

日系企業の特徴としてよく挙げられるのが、福利厚生の手厚さです。例えば、

  • 医療保険の会社負担割合が高い
  • 家族カバレッジが比較的安価
  • 401(k)マッチが安定している
  • 有給休暇が多めに設定されている
  • レイオフ頻度が低く、雇用が比較的安定

これらはすべて、実質的な支出を下げ、可処分所得を守る要素です。
日系企業は、「短期間で最大化する収入」よりも、長く安心して働きながら生活を安定させる設計という特徴があります。

アメリカでの転職では、「いくらもらうか」より「いくら残るか」
数字の見え方に惑わされず、手取りと可処分所得ベースでキャリアを設計することが、これからの賢い選択と言えるでしょう。

アメリカで働くという選択は、決してシンプルではないですよね。だからこそ、皆さんにとって何が優先なのかを整理しながら、長期的に安心して働ける選択肢を一緒に考えていきたいと考えています。私たちSTS Careerは、在米で働く方の現実に寄り添うリクルーターとして、皆さまのキャリアをサポートします。ぜひお気軽にご相談ください♪

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ロサンゼルスを拠点とし、アメリカ全土を対象にHR・人材ソリューションを提供するリクルーティングエージェンシー。
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