高齢者の健康関連企業を設立〜グーグル、CEOはアップル会長

 インターネット検索大手グーグルは18日、老化に伴う健康問題を研究する新会社「カリコ(Calico)」を設立すると発表した。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、グーグルとは別組織となり、最高経営責任者(CEO)にはデジタル機器大手アップルのアーサー・レビンソン会長が就任する。

 レビンソン氏は1995〜2009年にバイオテクノロジー大手ジェネンテックのCEOを務めるなど医療分野の経験が豊富で、現在もジェネンテック会長のほか、その親会社ロシュ・ホールディングの取締役を務めている。また、09年まではグーグルの取締役も務め、自身もカリコに投資している。

 グーグルのラリー・ペイジCEOはブログで「明らかに先の長い勝負となるが、適切な目標と適切な人材によって相当の期間内に良い進展があると信じている」と述べた。カリコの具体的な業務やその進め方などは不明だが、この分野に詳しいイリノイ大学のジェイ・オルシャンスキー氏は、可能性の1つとして、加齢の過程そのものを対象にした研究を挙げる。

 一般的に医学研究は、心臓病やがんなど個別の病気の治療法を見つけることに焦点を当てるが、人間の健康や寿命を促進しようとすれば、加齢の仕組みを詳しく知る必要がある。100年以上生きている人の遺伝子を調べるのも1つの方法で、近年は生物学的に加齢を制御する方法の研究も始まっている。

 医療は、投資家の興味を引く分野でもある。専門家はカリコに関し、レビンソン氏がCEOとして関わることで投資家から大きな信用を得るとみている。

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