モンサント、気象情報分析会社を買収

 農業化学大手モンサント(ミズーリ州)はこのほど、気象情報分析のクライメート・コーポレーション(カリフォルニア州)を9億3000万ドルで買収すると発表した。データ分析やセンサーが従来の農業を急速に変えつつある現状を示している。

 ギガオムによると、クライメートは、歴史的データや天候データを組み合わせた農業保険などを販売している。同社が保有するデータには、米国内の農地2000万件の形状、栽培作物の種類やその収穫量、土壌の保水量といった情報が含まれ、5兆カ所のデータを基に生育予想なども行っている。

 地球の気候変動によって従来の気象パターンが変わると農家のリスクが高まる半面、その土地に適した作物も変わってくる。このためクライメートのデータ分析は、農家だけでなく、気候変動に耐える穀物などを開発するモンサントにとっても価値がある。

 両社は、農家の大部分がトウモロコシの単位収量(1エーカー当たり)を最高30〜50ブッシェル増やせる可能性を持っており、データ科学の向上がその実現に寄与するとみている。

 こうした農業とデータの結合は、ベンチャー・キャピタリストや農家向けにハイテク機器を提供する新興企業にとっても朗報と言える。クライメートには2006年の設立以降、グーグル・ベンチャーズ、コスラ・ベンチャーズ、NEA、インデックス・ベンチャーズなどの投資会社が1億1000万ドル以上を投資している。

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