海運各社、タンカー建造急ぐ〜北米のエネルギー増産受け

 北米の石油・ガス生産急増に対応するため、海運業界では石油化学製品を運ぶ「プロダクト・タンカー」の建造が急ピッチで進められている。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、ニューヨーク州が拠点のスコーピオ・タンカーズは、2010年にはプロダクト・タンカー10隻余りを所有するだけの無名企業だったが、現在は約50隻を持つ世界大手の一角にのし上がった。16年初頭に納入される予定の新造船だけでも65隻と、金額にして35億〜40億ドルに上る。

 スコーピオのロバート・バグビー社長は「最も簡単に言えば、米国の輸出増と製油所の世界的増加がプロダクト・タンカーの輸送需要を高めている」と語った。

 連邦エネルギー情報局の最新統計によると、国内の製油所は7月に1日380万バレルの石化製品を輸出しており、10年比で約160%伸びている。

 ノルウェーの市場調査会社DNBマーケッツで船舶輸送調査を担当するニコライ・ディビク氏は、輸送量でみた場合、プロダクト・タンカーの需要は7%の伸びが3年続くと予想する。一方で、原油タンカー需要は同じ期間に1.5%の低下が続く見通しだという。

 海運コンサルティングの英ドルーリーによると、10年に68隻だった新規の造船受注数は12年には68%増の116隻に達した。13年も9月現在で80隻となっており、通年で前年を上回る勢いだ。

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