AT&T、通話データ提供で政府から報酬 〜 CIAへの開示で1000万ドル
- 2013年11月8日
- ハイテク情報
米通信サービス事業社(キャリヤー)大手のAT&Tが米連邦諜報機関からの要請に応えて個人通話データを提供し、その見返りとして手数料を受け取っていたことが関係筋の話で明らかになった。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、AT&Tは、米中央情報局(CIA)による対テロ捜査に協力する形で、個人の通話データをCIAに開示し、CIAから1000万ドルを受け取っていた。
AT&Tが提供していたのは国際通話の記録で、そのなかには米国民の通話記録も含まれていた。米国人の通話記録は個人を特定できないようになっている。
AT&Tは、「政府機関からの情報開示要請に対しては、合法かつ適切であることを確認して対応している」と説明したが、詳細を明らかにすることを拒否している。
これまでにも、AT&Tやほかの大手キャリヤーが米国家安全保障局(NSA)の要請に応えて、メタデータと呼ばれる通話記録を提供していたことが明らかになっている。
今回の件で、米国の大手キャリヤーが複数の諜報機関と密接な取り引き関係を持っていることが露呈したと言える。
CIAが受け取っていた情報は、NSAの場合に比べて限定的範囲の情報だという。関係筋によると、CIAがAT&Tに対して特定条件でデータベースを検索するよう依頼し、その結果に抽出されたデータがCIAに開示される仕組み。
AT&Tは現在、欧州のキャリヤーを買収することに関心を持っており、ボーダフォン・グループの欧州資産を買収するのではないかという観測も報じられている。しかし、今回の件によって、欧州で買収認可を取得することが困難になったとみられる。
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