777Xの主翼生産を日本で〜三菱重工、ボーイングに提案

 三菱重工業が航空機大手ボーイングに対し、大幅なコスト削減を売り文句に次世代ジェット機「777X」の主翼を日本で造るよう提案していたことが、12日分かった。ロイター通信が関係筋の話として伝えた。

 ボーイングでは13日、今後8年間の労使協約を受け入れるかどうか3万1000人の労働者による投票が予定されている。これは777Xをワシントン州で生産するかどうかに影響を与える重要な決定で、もし労働者が受け入れを拒めば、同社は777Xの胴体や主翼を他の場所で生産することを検討する意向だ。

 777Xの生産に関してはボーイングの主要生産拠点であるシアトル地区の労働者に最初の投票権が与えられているため、ボーイングはまだ他の候補との交渉を始めておらず、具体的な提示もないと言われている。

 しかし、関係筋が明らかにした三菱重工の提案は、現在「787」ドリームライナーの主翼を生産している名古屋の工場の隣に777X用の新工場を建設できるといった極めて具体的な内容で、主翼の輸送に関しても、新しい方法を使えばコストを大幅に削減できるという詳細な青写真を提示している。

 777Xの主翼は炭素繊維複合材でつくられ、ボーイングが発注する主翼ではこれまでで最長となる。三菱重工は、ロールオン・ロールオフ方式の貨物船を5隻建造して部分ごとに運搬する方法を提案しており、787の主翼の輸送に使われている特殊大型貨物機「ドリームリフター」を用いる方法よりはるかに安上がりな点を強調している。

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