インフル流行に目光らす〜かぜ薬やティッシュ会社
- 2014年1月6日
- 米国ビジネス
ティッシュペーパー、抗菌濡れナプキン、かぜ薬などのメーカーにとって、インフルエンザが流行しやすい冬は書き入れ時だ。感染が広がると同時に商品を売り込めるよう、各社ともさまざまな情報を集めている。
ウォールストリート・ジャーナルによると、テレビなどで広告を出すタイミングは非常に重要で、早すぎると衝動買いする人が減り、遅すぎると他社に客を奪われると同時に病気も回復に向かう。トローチ剤「コールドイーズ(Cold-EEZE)」の製造元プロフェイズ・ラブズ(ProPhase Labs)は、人々がインフルにかかり始めたという徴候が表れた時点で、テレビ広告や薬局の店内マーケティングを強化する予定だという。
消費者用品メーカーの多くは、呼吸器系の疾患で医者にかかる人の数を読もうと、厚生省疾病対策センター(CDC)の週報に目を通しているほか、全米の診療所、薬局、医療施設を訪れる患者に関する情報を収集している企業からデータを購入し、ソーシャル・メディアや郵便番号別に流行の現在状況を表示する医療情報ウェブサイトなども確認している。
また、抗菌商品などを販売するクロラックスやティッシュペーパー大手プロクター&ギャンブル(P&G)は、グーグルのインフル関連の検索トレンドを点検し、予防接種などの情報を検索する人が多い地域を探ろうとしている。クロラックスは10月下旬の社内報で「ピッツバーグで関連検索が1年前の2倍に増えている」と伝え、12月中旬にはダラス、タンパ、シカゴといった都市で活発になっていると報告した。
クロラックスは、利用者の多くが居住地区を公開しているツイッターのチャットにも注目している。インフルに関するツイートやディスカッションが増えた地域があれば、郵便番号を特定して周辺の小売店の商品在庫を増やし、オンライン広告やデジタル・クーポンの発行対象を絞り込めるからだ。同社は昨シーズン、感染が広がった6州に3万ケースの抗菌ナプキンを追加出荷し、13年1〜3月の消毒関連商品の販売を2桁伸ばしている。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる