SF市、IT通勤者バスを規制〜市バス停留所利用に課金へ
- 2014年1月9日
- アメリカ発ニュース
サンフランシスコから同市郊外のシリコンバレーに通勤する人々のためにIT大手が提供しているシャトル・バスに対して、市が規制に乗り出した。エド・リー市長は6日、企業バスの利用者が乗り降りできる場所を制限し、公共のバス停を使う場合は課金する計画を発表した。
ウォールストリート・ジャーナルによると、民間企業が走らせる通勤バスは、それぞれ市バスの停留所を含めて何千カ所にも停車しながら、3万5000人以上の労働者をシリコンバレーに運んでいる。シリコンバレーのIT企業がバス運行を始めたのは、サンフランシスコ市内に住みたがる社員が多いためだが、市民運動家らは「グーグルやヤフーなどのハイテク大手で働く高額所得者が市の南部に流入した結果、地域の居住費が上昇して立ち退きを迫られる人が増えた」と非難している。
シャトルバスはこうした緊張や経済格差の象徴にもなっており、先月にはアクティビストが企業バス運行を妨害する事態が発生。グーグルのバスの窓が割られる事件もあった。これに対し市長は、「(バス停の混雑など)別の面で怒りの対象となっている可能性はあるが、シャトルバス自体は良いサービスを提供していると思う。交通専門家や市民もバスが渋滞の緩和に貢献していると考えている」として、非難には値しないとの見解を示した。
市長が発表したバス規制は事業費約150万ドルで18カ月にわたって実施され、規則に従わないバスには違反切符が発行される。
市場調査MPFリサーチによると、サンフランシスコ市内の平均家賃はニューヨークに次いで全米で2番目に高く、2013年は前年比6%増の2484ドルだった。上昇幅は国内大都市では5番目だった。
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