富士通、IBMのサーバー事業買収に名乗り 〜 包括的ベンダーの地位を狙う
- 2014年1月22日
- ハイテク情報
富士通がIBMのx86系サーバー事業の買収を狙っていることが22日に分かった。IBMは同事業の売却先として、中国のレノボ(Lenovo Group)および米デル(Dell)と交渉中だと21日に報じられたばかり。
x86系サーバーは、基本的にはパソコンと同じ設計で、販売台数は多いが薄利の製品。サーバー事業は近年、消耗品化と薄利化がいっそう進んでいる。
IBMでは、事業資源を大規模データや人工知能、予想分析といった高利益事業に集中させる路線をさらに強化するために、薄利のハードウェア事業から撤退する方針を以前から打ち出している。
IBMとレノボは2013年に、同事業の売買で交渉したが、レノボによる評価額がIBMの売却希望額を大きく下回ったことから、交渉が決裂した。今回の交渉では、レノボに加えてデルと富士通も買収を検討しているため、同事業の評価額が争点として交渉の行方を左右する。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、富士通がIBMのサーバー事業買収を検討し始めた背景には、ハードウェアとソフトウェア、そしてITサービスを包括的に提供する企業向けワン・ストップ・ショップとしての地位確立を目指すという同社の戦略がある。
それと同時に、富士通は近年、総売上に対する日本国外事業の割合を拡大させようとしてきた。現在、同社の年商400億ドルのうち、60%以上は日本国内事業で占められる。しかし、国内市場の成長が鈍いため、さらなる成長には国外事業の展開を拡大させることが必須と富士通では考えている。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
米技術大手ら、メキシコでの製造拡大に注力 〜 台湾の技術製品メーカーらに熱心に働きかけ
-
2024年5月16日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
米国内都市圏の住宅所有者らは自然災害に要注意〜異常気象による損害危険の高い地域が明確に
-
2024年5月16日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ドライバーの過半数が「AVは怖い」~AAA調査
-
2024年5月13日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EVへの関心、ますます低下~消費者、メーカーの思惑に反し
-
インフルエンサーとブランドをつなぐプラットフォームで台頭 〜 ショップマイ、1850万ドルを調達
-
シンケイ・システムス、魚の活け締め技法を機械化 〜 完成に接近、鮮魚流通網に革新をもたらす可能性
-
ドキュサイン、インテリジェント契約管理サービスを発表 〜 電子署名ソリューション以外に事業を拡大
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開