BNSF、次世代タンク車購入へ〜5000両、原油輸送を安全に

 鉄道大手BNSF(テキサス州)は24日までに、安全性の高い次世代タンク車を5000両購入する計画を公表し、大手メーカーに競争入札への参加を求めた。最近の原油輸送中の事故多発を受けた動き。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、鉄道機関車や線路は通常鉄道会社が所有するのに対し、タンク車は99%をリース会社、荷主、貨車メーカーが所有している。北米では新しい油田開発ブームで鉄道による原油輸送が大幅に増え、輸送量は2006年の4700両分から13年には40万両分に激増しているが、石油タンク車の事故も増えており、13年7月にはカナダ・ケベックでの脱線事故で47人が死亡、12月にはノースダコタでBNSFの貨車が脱線、爆発し、近辺住民が避難を強いられた。

 鉄道やエネルギー会社は、タンク車の安全性改善や脱線防止に一層力を入れ、リスクの高い地域は迂回するといった対策を打ち出しており、他の場所で採れる原油より燃えやすいといわれるバッケン・シェール産原油に関しては成分情報を共有することにも合意している。

 現在、国内の鉄道で一般的なタンク車は「DOT-111」と呼ばれる形式で、肥料からコーン・シロップまでさまざまな貨物の輸送に使われている。北米には約27万2100両あり、このうち約3万9000両が原油の輸送に使われているが、11年に業界が自主的に設定した安全指針に適合する新モデルや安全性を高めるために改造されたモデルは3分の1以下にとどまっている。

 BNSFが求めているのはこれらの安全基準を上回るモデルで、BNSFは今回の新車両購入が業界全体の次世代車両への移行を促すことも期待している。タンク車の価格は、現行モデルは約12万〜17万5000ドルだが、次世代モデルはより高くなる見込みで、BNFSのタンク車購入費は全体で10億ドル近くに上る可能性もある。

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