フォードの「シンク」、新OSはブラックベリー製
- 2014年2月25日
- 米国ビジネス
フォードは、次世代車内テレマティックス・システム「シンク(Sync)」の基本ソフト(OS)をこれまでのマイクロソフト製「ウィンドウズ」からブラックベリーの「QNX」に切り替える。
ブルームバーグ・ニュースが関係者の話として伝えたところによると、QNXの方がライセンス料が安い上、システムの柔軟性やスピードが高まると期待されている。
マイクロソフトの音声起動ソフトを使ったシンクは、すでに700万台以上のフォード車に搭載され、携帯電話の操作や音楽鑑賞などに使われている。しかし、JDパワー&アソシエイツやコンシューマー・リポーツの調査では誤作動やタッチスクリーンに対するユーザーの不満が多く、今後フォードが消費者を引きつけるにはシンクの改善が最重要課題の1つとなっている。
昨年12月に発表されたアクセンチュアの報告書によると、車の購入の最大の決め手として車内テクノロジーを挙げる消費者は39%に上り、馬力や速度といった従来の性能を挙げる人(14%)の2倍以上に上っている。こうした状況を受け、テクノロジー業界では自動車メーカーとの契約取得競争が激化しており、グーグルは14年1月、GM、ホンダ、現代自、半導体大手エヌビディアと提携し、「アンドロイド」OSの車への導入を推進すると発表した。
一方、アップルは「アイフォン」などのディバイスを通して車内で「iOS」を使えるよう、BMW、メルセデス・ベンツ、日産などと協力している。
IHSアイサプライによると、QNXはマイクロソフトと並んで車内システム用基本ソフトの主要サプライヤーで、フォルクスワーゲン(VW)傘下アウディやBMWのモデルに使われている。フォードにも搭載されればこの市場におけるシェアが70%に伸びる可能性もある。
一方、マイクロソフトの自動車用ソフトは起亜、フィアット、日産、BMWにも搭載されているが、フォードが最大顧客であるため、今回のOS変更は大きな打撃となる。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる
-
アマゾンや小売大手ら、頻発する返金詐欺で巨額の損害 〜 詐欺集団ら、ティックトックで協力購入者たちを募集