中国復星、シリコン・バレーでVC設立 〜 米新興企業の技術を中国に移転

 中国新興複合企業のフォースン(復星国際、Fosun International)は、ベンチャー・キャピタル(VC)事業をシリコン・バレーで立ち上げた。

 将来有望の新興企業を米国で発掘し、それらが持つ事業モデルと、インターネットおよびモバイル技術を中国市場に持ち込むのが狙い。同社のグオ・グアンチャン会長が明らかにした。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、フォースンは数ヵ月前にシリコン・バレーでVCを立ち上げており、これまでに約1億ドルの運用資金を確保している。

 同社は、契約先であるシリコン・バレー投資会社のキンゾン・キャピタル(Kinzon Capital)を通じて投資する方針。

 グアンチャン会長によると、投資分野はスマートフォンとモバイル・インターネットが中心となる。それらには、ゲームやチャット、決済サービス、医療サービスが含まれる。また、モバイル・クラウド電算サービスへの投資も視野に入っている。

 フォースンはいまのところ目立った投資を実行していないが、今後、新興企業の物色を強化して投資を一気に拡大し、投資先を増やしていく考え。

 フォースンVC部門の責任者には、中国のインターネット大手テンセント・ホールディングス(Tencent Holdings)の元最高経営責任者(CEO)であるブラッド・バオ氏が就任している。

 フォースンの投資部門全体で2013年に運用された投資資金総額は70億ドル。

 グアンチャン会長は先週、中国の業界主導者らを引き連れてシリコン・バレーを訪れ、スタンフォード大学や米VC大手セコイア・キャピタルを視察している。

 シリコン・バレー新興企業の一部にとって、フォースンVC部門の取り組みは魅力的に映る可能性がある。中国は世界最大の市場でありながら、外国企業にとっては単独で進出することが依然として困難だからだ。

 中国市場への進出を果たす最善の手法は、中国外のデータ・センターを使ってウェブまたはモバイル・サービスを中国向けに提供することだが、中国共産党によって遮断される可能性が常につきまとうため、中国内に事業拠点やIT資源を確保することが望ましい。

 それに加えて各種のライセンシングの手続きも難しいことから、フォースンを味方につけることで、中国内での会社設立や事業展開がかなり簡便化される。

 ただ、シリコン・バレーを拠点にしている米VCのなかには同様の戦略を展開しているところもあるため、フォースンは厳しい競争を強いられることになる。

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