資産購入終了の先を見据え議論続く 29〜30日のFOMC

 【共同】米国の金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)が29〜30日に開かれる。前回6月の会合以降に発表された米経済指標はおおむね堅調で、今回も量的金融緩和に伴う金融資産購入をこれまで同様、月ベースで100億ドル減額するとみられる。FOMCは、経済状況に大きな変化がない限り、今年10月の会合で量的緩和の終了を決める考え。今回の会合では、2015年半ばにも想定される利上げなど、さらなる金融政策の正常化の道筋に関連した議論が活発に交わされそうだ。

 現行のゼロ金利政策はそのまま維持し、緩和的な金融環境が当面続くことをあらためて示す。一方で、先々利上げに踏み切った後の公開市場操作のあり方についても、引き続き議論を深める見通し。6月会合の議事録などによると、超過準備預金金利(IOER)を短期金利の主要な操作手段とし、補助的にリバースレポなどを使うことが議論されている。

 金融政策運営を危機対応からもう一段、平時態勢に近づけるタイミングを計る上では、連邦準備制度理事会(FRB)が二大目標として掲げる最大雇用と物価安定の達成度合いが焦点となる。FRBのイエレン議長は今月15日に上院公聴会で証言し、高齢化など人口構造の変化がもたらす以上に労働参加率は低下しているなどとして「雇用には依然として大きな緩みがみられる」と指摘。賃金上昇のスピードが遅いことにも懸念を示し、超緩和的な金融政策運営を変更するに当たっては、慎重なスタンスで臨む必要があるとの考えをあらためて示した。雇用改善をめぐっては、サンフランシスコ連邦準備銀行のウィリアムズ総裁も「(最大雇用の達成までは)まだ相当の道のりがある」と指摘している。これに対し、緩和縮小に積極的なタカ派の連銀総裁らからは「労働市場はFOMCメンバーの想定以上に改善している」(ダラス連銀のフィッシャー総裁)、「労働参加率の低下は主に人口構造の変化によるもので、今後何年もの間、参加率は一段と低下するかもしれない」(セントルイス連銀のブラード総裁)などと反論が出ている。

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