中国メーカー、ボストン地下鉄の車両供給へ

 中国の国有鉄道車両メーカー中国北車(CNR)はこのほど、マサチューセッツ州運輸省との間でボストン市内の地下鉄2路線に車両284両を納入する5億6700万ドルの契約を取り交わした。

 ブルームバーグ・ニュースによると、中国企業が米国の地下鉄に車両を供給するのは初めて。これでCNRは世界6大陸で鉄道車両を供給する企業となる。中国の電車メーカーは、李克強首相の後押しを受けて海外進出を進めているが、市場はこれまで新興国にとどまっていた。今回の契約で新境地が開けた形となり、現在は中国のもう1つの国有大手・中国南車(CSR)も、CNRとともにカリフォルニア州の高速鉄道整備計画への入札を計画している。

 UOBケイヒアン・インベストメントの上海在住アナリストは「米市場は参入が非常に難しく、今回の契約は象徴的な出来事」と見ている。マサチューセッツ湾運輸局(MBTA)によると、CNRが供給するのは、現行車両の使用年数が32年となるオレンジラインおよび44年となるレッドライン向けの新車両。引き渡しは2018年に始まり21年に完了する予定。

 生産は、中国の工場で2つの専用ラインを使用するほか、マサチューセッツ州スプリングフィールドに15万平方フィートの組立工場を建設する。CNRの入札価格は参加5社の中で最も低く、カナダのボンバルディエの半分強だった。ほかに入札に参加したのは、韓国の現代ロテム、川崎重工の米国法人カワサキ・レイルカー、CSR青島四方だった。

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