NYタクシー運転手、エボラにおびえる
- 2014年10月28日
- 米国ビジネス
ニューヨーク市で初のエボラ出血熱患者が出て以来、タクシー運転手の間で感染への恐れが強まっている。
ブルームバーグ通信によると、タクシー運転手はいつも雑菌にまみれた現金をやり取りし、車内でもどす酔っぱらい客もいるなど、人体の「副産物」にさらされている。特にエボラ出血熱は患者の血液やおう吐物などの体液を介して感染するため、ドライバーの不安は強まっており、客との直接的な接触を避けるため手袋をはめたりカード決済を求めたりする運転手も現れた。
ニューヨークで最初にエボラ感染が確認された男性医師も、隔離される前日に車の乗り合いサービスを利用しており、15年間イエローキャブ(黄色いタクシー)を運転しているインド人運転手(46)は「われわれは客を選ぶことができない。客が病気かどうかは分からず、乗客拒否もできない。どうすればいいのか」と真顔で話している。
人口の密集したニューヨーク市では、5万人の運転手が1万3000台以上のタクシーを運転し、1日に50万人以上の市民や旅行者が利用しているといわれる。運転手1人は1日30人以上の客を乗せるが、すべての客が健康ではない。ドライバーがさらされるこうした健康上の危険性は以前から指摘されていたが、客がエボラ出血熱に感染していた場合、深刻度は劇的に高まり、ドライバーが媒介者となって感染が急速に拡大する危険性も出てくる。
約1万8000人のドライバーが加盟するニューヨーク・タクシー労働者連合(NYTWA)とタクシー・リムジン協会(TLC)は近く市内の2空港でエボラに関する説明会を開く予定で、TLCは「この病気に関する事実と作り事をはっきりさせることが非常に重要。会員と密接に連絡するため積極的な手段を講じている」(アラン・フロンバーグ広報)と話している。
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