首相、税率引き上げ先送り 伝家の宝刀で増税派封じ デフレ脱却へ信念優先

 【共同】安倍晋三首相は消費税再増税を先送りし、12月の政治決戦に臨む。第2次政権発足から2年弱。デフレ脱却へ向けた経済政策「アベノミクス」の推進を優先させ、失敗につながるリスクは取らないという首相の信念が先送りの背景。予定通り増税しないと社会保障や財政再建に響くとの懸念を振り切った。衆院解散の「伝家の宝刀」をかざされた与党の増税派は動きを封じられた形だ。

 「経済状況などを総合的に勘案しながら、年内に適切に判断する」。菅義偉官房長官は13日の東京都内での講演で、消費税再増税の判断に関し、こう強調した。

 無論、額面通りに受け取る向きは永田町には皆無だ。デフレ退治を目指す首相にとって、4月の消費税率8%への引き上げ後、個人消費の回復が鈍い今は、まさに正念場だ。ここで再増税を決断すれば「上向きかけた経済は失速。アベノミクスが行き詰まりかねない」(党中堅)と考えたのは想像に難くない。

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