南カリフォルニアの送電網に世界最大の蓄電設備 〜 AESエネルギーが供給
- 2014年11月16日
- 環境ビジネス
世界最大の蓄電設備が、カリフォルニア州南部の送電網に導入される。
グリーンテック・メディアによると、サザン・カリフォルニア・エディソン(Southern California Edison=SCE)はこのほど、合計250メガワットの蓄電設備の入札結果を発表した。
選ばれた企業には、大型蓄電設備やビハインド・ザ・メーター型の蓄電機器、分散型太陽光発電機器、蓄熱機器、需要反応やエネルギー効率化の技術、さらに天然ガスの補助発電施設など非常に広範の製品が含まれた。
「幅広い調達計画は過去にもあったが、公益会社がこれほど多様の調達を行った例はない。公益会社による調達の新しい傾向だ」と、GTMリサーチのコリー・ハニーマン氏は話す。
調達品目の幅広さもさることながら、そのなかに世界最大の電気化学電池が含まれたことも注目に値する。AESエネルギー・ストレージ(AES Energy Storage)が100メガワットの蓄電システムを供給することになったことがそれだ。
AESによると、同社が運用中および建設中の蓄電容量はすでに200メガワット以上に達しており、送電網対象の蓄電設備としては最大規模を誇る。また、世界各地で現在開発中のプロジェクトは1ギガワット以上に上る。親会社のAESコーポレーションは、2013年に160億ドルを売り上げている。
SCEに納入することになった蓄電設備は、容量100メガワット、400メガワット時で、電池を使用する。設備の完成期限は2021年1月1日。カリフォルニア州ロング・ビーチのアラミトス電力センターの建物内に設置される。20年間の電力購入契約にもとづいて、AESが維持管理サービスを提供する。
AESのジョン・ザフラニク氏は、同社の知りえるかぎり世界最大の電気化学電池だと話す。米エネルギー省の記録でも、それが確認されている。
AESによると、その電池によって、同じ送電網上にある補助電源発電所に対して2倍以上の柔軟性がもたらされる。
「当社の提供する蓄電システムは、断続性の均衡調整以上のことができる。これで送電網は新しい時代に踏み込む」とザフラニク氏は語っている。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
米有料テレビ・サービス、第1四半期に過去最悪の231万世帯減 ~ さらに深刻化する加入者流出
-
人工知能、核戦争に匹敵する人類滅亡の危機につながる恐れ ~ 技術業界幹部ら、公開共同声明で警告
-
2023年5月30日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
従業員らの隠れたチャットGPT利用がCISOらの悩みのタネに ~ 専門家ら、二つの対策を提示
-
米食品業界、スナック菓子ブームで活況
-
2023年5月23日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
オープンAI、モバイル・チャットGPTを発表 ~ iOS版はすでに利用可能、米国外版はこれから
-
2023年5月21日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
サービスナウ、エヌビディアと提携 ~ 特定業務に特化した法人向け生成人工知能を独自開発へ
-
2023年5月18日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
米国の補助金制度を理由に米国への生産拠点移転をねらうドイツ企業が急増 ~ 産業用電気代高騰や北米内互恵措置の適用に期待
-
米国の技術人材雇用機会、シリコン・バレーから東海岸に移行 ~ ワシントンDCやニューヨーク市、非技術業界で需要増
-
オレオレ詐欺、音声クローニングで巧妙化 ~ なりすましが見破りにくくなり被害が増える可能性
-
グーグル検索、新たな旅行関連機能群を提供 ~ 最安値の航空便を予約できる「価格保証」ツールを含む三つを発表