EV用電池の安全性向上へ〜電解質に最適な材料見つかる
- 2014年11月24日
- 自動車関連
バージニア・コモンウェルス大学(VCU)の研究チームはこのほど、電気自動車(EV)などで使われるリチウムイオン電池の電解質に適した無害なハロゲンフリー材料を見つけたと発表した。
ハロゲンフリー材料は、ハロゲン(塩素、臭素、フッ素、ヨウ素など)やハロゲン化合物を含まない、またはわずかしか含まない材料。
サプライヤービジネスによると、リチウムイオン電池の電解質では現在、炭酸エチレンや炭酸ジエチルなどの有機溶剤にヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)、六フッ化ヒ素酸リチウム(LiAsF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)といったリチウム塩が使われる。これらの化学品は入手しやすい半面、人体や環境に有害で爆発の危険があったりするため理想的とは言えない。
その点、VCUチームが発見したいくつかのハロゲンフリー材料は無毒であり、リチウムイオン電池への機能上の適性は従来の物質と同等だという。電解質への適性を調べるため、チームはイオン伝導の過程でリチウムイオンを移動させるのに必要なエネルギーを算出し、親水性を確認した。その結果、リチウムカルボラン(Li(CB11H12))が最適と判断された。
今回の発見は、より安全で環境に優しい電池の材料としてメーカーに注目されそうだ。ただし、これらの材料は研究所の実験施設でしか生産できず、量産化が課題となる。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
ラスベガスの公共交通機関、武器検出人工知能システムを導入 〜 自治体による大々的採用は国内初、凶悪犯罪即応能力を強化
-
2024年9月11日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
米EV所有者の46%は「内燃エンジン車に戻る」
-
使っていない古いアカウントが情報漏洩のリスクに 〜 削除方法は3つ、自分が知らないアカウントも発見
-
人工知能ツールが従業員の孤独感と健康悪化を誘発か 〜 睡眠不足や飲酒増の弊害を示す研究結果
-
2024年9月6日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
綿花および繊維業界で進むデジタル変革 〜 農業と生産、流通の各過程で効率化を推進
-
2024年8月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
サイバー攻撃増えても保険料は低下~企業のセキュリティー向上で
-
アップル・ウォッチ、医師たちのお気に入りの医療機器に 〜 患者の心臓機能追跡に活用、健康管理を合理化
-
Z世代にとってもっとも重要な販路はティックトック 〜 KPMGが調査結果を報告
-
2024年8月19日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
新興企業のライター、法人向け生成人工知能事業を1年で3倍に 〜 販促文句の作文から法務まで自動化
-
2024年8月15日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 世界のニュース
パリ五輪で活躍する人工知能ツールたち 〜 次世代選手発掘や出場選手支援、視聴者らの体験を向上