T・カートライト氏死去 爆撃機元機長、同僚被爆死

 【共同】太平洋戦争末期、広島周辺で撃墜され捕虜になった米軍爆撃機の機長で、原爆の犠牲になった同僚米兵を慰霊するため戦後に広島入りし、平和や核廃絶を訴えたトーマス・カートライト氏が11日、ユタ州の自宅で死去した。90歳。親族が14日、明らかにした。

 1924年、サウスカロライナ州生まれ。45年7月、広島県呉市沖の上空で日本の戦艦を爆撃中、搭乗していたB24爆撃機が撃墜された。自身は東京へ移送されたものの、同乗していた同僚6人が広島市の憲兵隊司令部などに留置され、原爆の犠牲になった。

 99年、同僚の慰霊のため広島を訪問。「米政府と日本が、核兵器廃絶に向け努力することが大切」と語っていた。同僚との思い出をつづった回顧録は邦訳され、2004年に「爆撃機ロンサムレディー号 被爆死したアメリカ兵」(NHK出版)として出版された。

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