出会い系アプリは企業に有害〜社員の個人端末からハッカー侵入も
- 2015年2月13日
- 米国ビジネス
仕事に使うスマートフォンに恋人探しのアプリケーションを加えている人が多いため、利用者だけでなくその人が働く会社にとってもハッキング被害のリスクが高まっていることが、IBMの情報セキュリティ調査で分かった。
ロイター通信によると、IBMの報告書は、グーグル製基本ソフト(OS)アンドロイドを搭載した携帯電話を使って41種類の出会い系アプリを分析したところ、26種類に深刻度が中から高の脆弱性が見つかった。出会い系アプリは、インスタント・メッセージ、写真、位置情報サービスなどの機能によってここ数年で急速に人気が高まっており、2013年のピュー・リサーチ・センター調査では、米国内で約3100万人が出会い系のサイトやアプリを利用している。
IBM調査では、対象企業の50%近くで社員が脆弱性のある出会い系アプリを使っていた。従業員が私物の端末を職場に持ち込んで仕事と兼用するいわゆる「BYOD(bring your own device)」の習慣など、仕事とプライベートで同じ電話を使う環境では、ユーザーと会社の両方がサイバー攻撃に遭う恐れがあり、IBM報告書は「BYODは、適切に管理されないと社員の端末から企業の極秘情報が流出する危険性がある」と指摘している。
出会い系アプリにセキュリティの隙があると、関心を持った相手からの返事を待っているユーザーに、ハッカーから情報収集や不正ソフトの配布を目的とする偽のメッセージが送られてくる可能性がある。
ハッカーは、感染したアプリを通して電話のカメラやマイク機能を勝手にONにし、個人的な会話や仕事の極秘会議を盗聴することもできる。また、感染した端末のGPSデータがストーキングに使われる、ユーザーの決済情報を使ってハッカーが物品を不正購入するといった危険性もある。
今のところ出会い系アプリが原因のデータ侵害は多発していないが、アプリ利用者は、公開する個人情報を制限し、全てのアカウントに解読されにくいパスワードを使い、最新ソフトウェア・パッチを入れて、各アプリの許諾をチェックし続けることが望ましい。
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