A123、スターター・バッテリーで勝負 〜経営破綻から再生へ
- 2015年3月27日
- 自動車関連
経営破綻の憂き目にあった電気自動車(EV)用リチウムイオン電池メーカーのA123システムズは、スターター・バッテリーを主力製品に再生を目指している。
オートモーティブ・ニューズによると、デトロイト郊外にあるA123本社工場では、電池充電器の隣にプラグインハイブリッド車(PHV)「フィスカー・カルマ」が置かれている。A123とフィスカーはいずれも中国・万向集団の傘下に入ったため、この光景からは、A123が同じく再生を目指すカルマ用にリチウムイオン電池パックを供給することが予想される。
しかし、A123のジェイソン・フォルシエール最高経営責任者(CEO)は現時点で、マイクロハイブリッド車向けのリチウムイオン・スターター・バッテリーと小型蓄電池に注力していると明言した。マイクロハイブリッド車は、エンジン始動時に瞬間的に大きな電流を供給するバッテリーと、ブレーキによる回生電力を充電する蓄電池を必要とする。
フォルシエール氏によるとこれらの製品は需要が右肩上がりで、A123の2015年売上高は前年の2億ドルから3億ドルに増加する見通しだ。
A123がデトロイトで運営する2つの工場は、メルセデスベンツにスターター・バッテリーを供給するためフル稼働している。一方の小型蓄電池は、17年から18年の間に生産が開始される見込みだ。
リチウムイオン電池は依然としてコストが高く、3〜4年の間にデビューが見込まれるマイクロハイブリッド用12ボルト電池は約300ドル程度と予想されている。スタートストップ・システム用に人気があるグラスマット吸収式バッテリーと比べると3倍に相当するが、フォルシエールCEOは生産規模の拡大に応じてコストが低下すると述べた。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
買い控えのトレンド拡大~SNSを中心に
-
2025年2月7日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 世界のニュース, 米国ビジネス
台湾、政府機関によるディープシーク・サービス使用を禁止 〜 米国やイタリアも禁止または制限、英国も注意喚起
-
2025年2月6日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス, 自動車関連
加州、無公害トラック義務化を断念~排ガス規制が大きく後退
-
2025年2月4日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ロサンジェルス郡の山火事で緊急対応アプリケーション群の使用が激増 〜 発生場所や大気汚染、避難命令、強風警報、さまざまの状況を逐次追跡
-
ユナイテッド航空、機内インターネット接続の試験を前倒し 〜 スターリンク端末を順次搭載へ、今春にも運用開始
-
2025年1月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
自動車メーカー、5G切り替えで難しい判断
-
FBI、アイフォーン同士以外ではアイメッセージを使わないよう注意喚起 〜 中国の国策ハッカーら、米スマートフォン利用者らの情報を窃盗
-
トランプ氏の返り咲きに戦々恐々とする米技術大手ら 〜 対立関係の改善をねらってあいついで寄付
-
2025年1月20日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
半自動運転システムでドライバーの注意力低下
-
高級ブランドら、ビットコイン高騰を受けて暗号通貨での決済を受け付け 〜 暗号資産家市場の掘り起こしに舵を切る