フォード、マイクロソフトに見切り 〜 車載ITシステムにブラックベリーを採用
- 2015年6月8日
- ハイテク情報
フォード・モーター(Ford Motor)は、今夏発売予定の「エスケイプ(Escape)」と「フィエスタ(Fiesta)」の2016年型車から新たな通信娯楽システム「シンク3(Sync 3)」を搭載する。
同社は、インフォテインメント・システム向けOSとして2007年から採用してきたマイクロソフト(Microsoft)製プラットフォーム「ウィンドウズ・エンベデッド・オートモーティブ(Windows Embedded Automotive)」に代わって、ブラックベリー(Blackberry)のQNX OSを採用することを2014年12月に明らかにしていた。シンク3はQNX OSを搭載したフォード初のシステムとなる。
シンク3は北米の全フォード車に2016年末までに搭載される見通し。
コンピュータワールドによると、シンク3のおもな特徴は、高速処理、会話音声認識、直感的な指触操作式スクリーン、そして分かりやすいグラフィカル・インターフェイス。
たとえば電話番号を探したいときは、画面上で指を滑らせて、登録名をアルファベット順にスクロールする。「ワン・ボックス・サーチ(One Box Search)」という機能では、特定の場所を調べたり、インターネット検索エンジンを使うときと同じように住所を入力したりすることができる。
楽曲選択や電話、目的地の検索といった機能も最低限の手順で実行できる。
シンク3はそのほか、アップリンク(AppLink)の切れ目のない機能統合、音声認識機能のシリ(Siri)を使ったアイズ・フリー(Eyes-Free)機能、ワイファイ経由のソフトウェア更新、最新の非購読型911アシスト(911 Assist)に対応する。
QNXプラットフォームは、QNXソフトウェア・システムズ(QNX Software Systems)が開発したオープン・ソース・プラットフォームで、200以上の車種に採用されている。
QNXソフトウェア・システムズは、ブラックベリーに2010年に買収されるまで、音響およびインフォテインメント機器開発のハーマン・インターナショナル(Harman International)の傘下企業だった。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる