「トランプ」ラインの販売中止〜メイシーズ、差別的発言で
- 2015年7月7日
- 米国ビジネス
百貨店大手メイシーズは、不動産王ドナルド・トランプ氏のメキシコ人に対する否定的な発言を受け、メンズウェアの関連ブランドの販売を停止すると発表した。
ロサンゼルス・タイムズによると、同社は2004年からトランプ・ブランドのネクタイやシャツを販売してきたが、今月1日、「氏の発言に落胆している。当社はどんな形の差別も容認しない」との声明を出した。
トランプ氏は、6月16日に行った共和党大統領候補者指名争いへの出馬表明演説で「メキシコ人移民は麻薬や犯罪を米国に持ち込んでいる」などと差別的な発言をし、各方面から批判を浴びている。
すでにスペイン語放送局ユニビジョンが同氏との事業契約を打ち切り、同氏とネットワーク大手NBCとの共同事業「ミスUSA」および「ミス・ユニバース」の放映中止を発表した。NBCは氏がホストを務めてきた人気リアリティ番組「セレブリティ・アプレンティス」についても、同氏を外す意向を表明。メキシコのTV局テレビアとTVオラも氏との業務関係を断った。
メイシーズの動きは、今回の発言がトランプ氏の主要な収入源であるブランド力にも影響し始めたことを示している。
しかしトランプ氏に考えを改める様子はなく、6月末に出演したFOXニュースの報道番組「ザ・オライリー・ファクター」で「発言は極めて正確だ。国境はひどい状況にある」と述べた。メイシーズの発表に対しても、ツイートで「今すぐ強い国境政策を打ち出して不法移民を阻止しなければならない」と表明した。
ユニビジョンに対しては「コンテストを放映しないという決定は、言論の自由をつぶそうという政治的意図を持った試み」と反論して、5億ドルの損害賠償訴訟を起こした。ユニビジョンの最大株主であるハイム・サバン氏は、今回の大統領選で民主党の最有力候補ヒラリー・クリントン氏の支持者・献金者でもある。
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