製薬業界の医療業界向け支出、14年は65億ドル

 2014年、医薬品・医療機器メーカーが国内の医師や病院向けに投じた支出は総額65億ドルに上ったことが、連邦政府による初の年間統計で分かった。

 ロサンゼルス・タイムズによると、厚生省メディケア・メディケイド・サービスセンターが医師60万7000人とティーチング・ホスピタル(研修医が研修を行う病院)1121施設を対象に調査し、研究費などの名目で支払われた金額を集計した。

 データ集計は医療保険制度改革法(オバマケア)に盛り込まれた事業で、政府は医薬品および医療機器メーカーに毎年の関連支出額の開示を義務付け、国民による検索が可能なデータベース「オープン・ペイメント」としてまとめた。昨年公開された13年のデータは5カ月分だったが、今回は初めて通年のデータがそろった。

 統計によると、14年は計1444社が支払いを行い、そのうち研究費が約半数、一般的な支払いが25億ドル超、所有権や投資に対する利息が7億300万ドルを占めた。

 医療政策の専門家は以前から、コンサルタント契約や講演の料金から旅行・食事代まで、金銭を媒介とした医療現場とメーカーの結び付きは誤った処方や治療につながる恐れがあり、全米で年間3兆ドルに上る医療費をさらに押し上げかねないと警告している。

 米国医師会(AMA)は政府統計について、不正確で誤解を招く恐れがあると指摘しながら、メーカーとの関係強化が治療の進歩を助けると反論した。

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