電球はLEDだけ売ります〜イケアのサステイナブル戦略

 家具大手イケアは、大規模なサステイナブル戦略の一部として、9月から照明用電球を発光ダイオード(LED)電球だけに絞り込む。

 ニューヨーク・タイムズによると、計画していた電球型蛍光灯(CFL)への大規模な投資もLEDへの投資に切り替える。スティーブ・ハワード最高サステイナビリティ責任者(CSO)は今回の決定に関して「照明技術の一部はより迅速に推進されなければならない。人々は気候変動と同時に電気代も気にしている。そこで、どうすれば15年ではなく3〜4年で展開できるものを試せるかということになる」と話した。

 イケアは、エネルギー消費の削減や再生可能エネルギーの導入拡大も進めており、2020年までには世界で消費するエネルギーをすべて再生可能エネルギーで賄うことを目指している。すでに米国では、15年末までに再生可能エネルギー由来の電力生産量が米事業で使う電力の4倍になる見通し。

 かつて主流だった白熱電球はもはや国内外のエネルギー効率基準を満たさなくなっており、これに代わる有力な選択肢として最初に登場したCFLは、米国では今もLEDよりはるかに多く売れている。しかし、光の刺激が強いという初期モデルの印象がなかなか消えないほか、明るくなるまでに時間がかかる、明るさの調節が難しい、少量の水銀を含む…といった短所もある。

 これに対しLEDは高価で、数年前は白熱電球1個と取り替えるのに30ドルかかることもあったが、光の質が好まれ、政府の規制緩和もあって価格が徐々に下がり、利用者は増えている。

 ゼネラル・エレクトリック(GE)、フィリップス、TCPといったメーカーは、自社ブランドのほかホーム・ディーポやウォルマートの独自ブランド向けにもLED電球を生産し、5ドル以下の製品もある。イケアもメーカーや卸業者と協力して価格を抑えており、白熱灯40ワット(W)相当のLED2個入りパックは4.50ドル、明るさ調節可能な60W相当は1個4.50ドル、同様の75W相当は11ドルで販売している。

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