燃料安でも追加料金値上げ〜フェデックスとUPS

 貨物輸送大手フェデックスとユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は、燃料価格が低下する中で燃油サーチャージ(追加料金)の引き上げを発表した。年末商戦を前にeコマース企業や小売店など顧客の間に動揺が広がっている。
 ウォールストリート・ジャーナルによると、フェデックスは11月2日から今年2回目となるサーチャージの値上げを実施する予定で、輸送費コンサルティング会社スペンド・マネジメント・エクスパーツ(SME)の試算では、100箱の靴をニューヨークからアトランタまで翌日配送する場合の燃油サーチャージはこれまでの67ドルから約170ドルになる。UPSの新追加料金は約200ドル。
 フェデックスが配送トラックで使うディーゼル燃料の価格は過去1年間に約3分の1低下しており、航空機のジェット燃料もスポット価格が1ガロン=約1.37ドルと半分近く下落している。先物取引で燃料コストをヘッジする企業もあるが、両社はほとんどの燃料をほぼ市場価格で購入しており、いずれも燃料代は1年前から約35%低下したと発表している。
 フェデックスは今回の値上げを「重い小包や宅配貨物の増加がこの1年で加速し、いずれも燃料代がかさむため」と説明するが、SMEのジョン・ハーバー最高経営責任者(CEO)は「到底正当化できない。燃料支出は大幅に減ったが節約分を顧客に還元したくないという以外に説明はつかない」と批判している。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る