「食の砂漠」に健康な食事を〜ボストンの非営利スーパー
- 2016年3月14日
- アメリカ発ニュース
マサチューセッツ州ボストン地区で営業する非営利の食料雑貨店デイリー・テーブル(Daily Table)は、都市部で生鮮食品を扱う店が少ないいわゆる「食の砂漠(a food desert)」で健康的な食生活を提供し、まだ食べられるのに捨てられる大量の食料ごみを減らそうとしている。
食の情報ウェブサイト、フード・タンクによると、米国の平均的な4人家族世帯は年に1365〜2275ドル分の食料を無駄にしている(天然資源保護協議会=NRDC=調べ)。一方、国民の6人に1人は飢えており、農務省によると、2014年は貧困などである時期に食べ物を満足に買えない食料不安(food insecure)だった世帯が1740万世帯(全米の14%に相当)に上った。
また、健康的な食品は高価で手に入りにくいため、貧しい人々は食料不足でありながら不健康な食料を食べ、多くが太り気味となっている。そこでデイリー・テーブルは、農家、食品メーカー、スーパーマーケットから入手した余剰食品のほか賞味期限や販売期限が近づいた食品などを仕入れ、食料不足の世帯向けに健康的な食品をより安く提供している。
NRDCとハーバード大学法科大学院食品法・政策クリニックによる14年の調査報告書によると、賞味期限や販売期限などの表示は、小売店が商品を入れ替える際の目安として導入された習慣で、食品の安全性を示す訳ではないにもかかわらず消費者に正しく理解されていない。
デイリー・テーブルを設立した元トレーダー・ジョーズ社長のダグ・ラウシュ氏は、「健康的な食事を、彼らがファストフード店で購入している物と同じかそれより安く提供したい」と話している。店ではフードスタンプも使える。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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