現地取材 レポート
今、全米が注目! テキサス最新事情

シェールオイル・ガスのブームに始まり、トヨタがテキサス州への本社移転を発表してからも続々と企業が進出、今まさに全米の注目の的となっているテキサス。本誌編集部では2017年1月に現地入りし、日系社会の関係者に取材を敢行。一体、どんなところなのか? 今後の可能性は? これから進出、移転する人々へのアドバイスとは?  気になる質問に答えてもらった。

ホスピタリティ溢れる多人種社会
人口急増中でポテンシャルも高い

在ヒューストン日本国総領事館
総領事 天野哲郎

テキサス州とオクラホマ州を管轄する在外公館。2015年10月の同館調べによる管轄内の在留邦人数は9,097人。現総領事の天野総領事は2016年1月に着任。
http://www.houston.us.emb-japan.go.jp

テキサスに大きな可能性を感じると語る
天野総領事

 テキサスでの在留邦人は、在留届の登録ベースで1万人前後です。その中には管轄しておりますオクラホマも含まれますが、オクラホマは500人ほどです。実際には在留届を提出されていない方もいるはずなので、実態は1万2000人~3000人くらいはいらっしゃるだろうと考えています。

 邦人に関しては、比較的、企業の駐在の方が多いのが目立つかな、と思っています。グリーンカード以上の資格でいらっしゃる方は他州に比べると多くはないかもしれません。4、5年前にシェールオイル・ガスのブームが起こるまでは、日本人にとっては、残念ながら未知の部分が多かったようにも思います。テキサスと聞くと、カウボーイとか牛肉、NASA宇宙センターといったイメージではなかったでしょうか。

 一方、(日系の)商工会は、シカゴ、ロサンゼルス、ニューヨークに比べると規模は小さいものの、最近、伸びてきています。ビジネス以外で意外だったのが、日本人の若手の芸術家に少なからずお目にかかったことです。私のイメージでは芸術といえばニューヨーク、またはロサンゼルスだったのですが、バレエやオペラ歌手として当地で活躍されている日本人がいることに大変感動しました。

 実際に暮らしてみて思うのは、人種の多様性です。テキサスにはベトナム系の方が多く、100万人以上います。州の人口が2000万人ですからいかにその割合が高いかがわかっていただけると思います。ベトナム戦争後にアメリカが彼らを引き受ける形で、現在はしっかりとしたコミュニティーを形成しています。その他にも中国系、インド系、韓国系の方が非常に多いです。ダラスには(米国)サムソンの本社もあります。このようにテキサスは、あまり知られていない事実ですが、アジア人にとって非常に暮らしやすい土地でもあるのです。寛容なんですね。私自身もテキサスの方々のホスピタリティには感銘を受けました。初めて会ったのに10年来の友人のように温かく接してくれます。外国人にとって、ここは非常にいい場所だということを強調したいです。

 ただ、どういう土地かということを外に向けて知らせる努力が足りないように思えます。しかし、実際はそのようなことをしなくても、当のアメリカ人が続々と移住してきているので、あえてその魅力を知らせる必要はないと考えているのかもしれません。

 治安に関しては、ご存知のように銃が自由な社会ですから、私が赴任後も銃撃事件は起きております。大きかったのはダラスで数人の警官が黒人に射殺された不幸な事件です。銃に絡む事件は尽きないのが現実ですが、邦人が巻き込まれたケースはありません。皆さんもすでに認識されているのでしょうが、治安の悪い場所には近づかないなどのことを実践されています。

 総領事館としても、緊急時のネットワークを張っています。テキサスにはヒューストン、ダラス、サンアントニオと、3カ所の大きな拠点があり、それぞれの日本人会の会員のネットワークを利用して、メッセージを伝えています。しかし、それを機能させるにもまずは在留届を提出していただくことが大変重要になります。

 在留届の提出率を上げること以外にも、私が在任期間中に目標としているのが、テキサスでの日本のプレゼンスを高めていきたいということです。これが大きな課題です。正直、中国や韓国系社会には人数面では太刀打ちは出来ないのですが、日本はこういうところであるということを文化・経済の面などでアピールしていきたいと考えております。

 もう1点は日本人社会の方々にさらに活躍していただくためのサポートに、イベントの後援などを通じて積極的に取り組んでいきたいということです。どのような小さなイベントであっても、可能な限り、出向いていくように努めてまいりたいと思います。

 これからテキサスに進出や移住を考えている方々には「今のうちです。早いもの勝ちですよ」と申し上げたいです。主要都市に比べると不動産価格を含む物価が安いのが魅力です。法人税、個人所得税もありません。ここは共和党が目指す小さい政府のモデルケースです。人口では、全米1位がニューヨーク、2位ロサンゼルス、3位がシカゴで4位がヒューストンです。しかし、近く、ヒューストンは3位になると言われています。地理的には、ここは東海岸と西海岸、中南米への中継点でもあり、非常に便利です。日本へは日本航空と全日空がそれぞれ、ダラスとヒューストンから直行便を飛ばしています。私が思いますに、今後の成長が最も見込めるポテンシャルの非常に高い場所、それがテキサスです。

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