農業用コスト削減のため、除草剤などの農薬をオンラインで購入する農家が増えている。
ウォールストリート・ジャーナルによると、農家には長年、種子や肥料、農薬など必要な物資を地元の園芸店や農協から購入する習慣があったが、農産物価格の低下で農家の収入が8年ぶりの低水準に落ち込む中、安い商品を求めてネット購入を考える農家が増えている。
この変化は、農業の相談や農薬散布といったサービスも提供する地方の業者・団体を中心に成り立っていた農業の仕組みに大きな影響を与える可能性がある。
イリノイ州でトウモロコシと大豆を栽培するブランドン・シンクレア氏(31)は2016年、2万6000ドル分の農薬をインターネットで購入したが、地元の農協から買っていたころに比べて値段はほぼ半額で、節約分は家畜管理用のヘリコプター購入に充てることができた。今では人にもネット購入を勧めているという。
農業用品の価格は地域によって大きく異なり、ITを活用した農業を支援するファーマーズ・ビジネス・ネットワーク(FBN、カリフォルニア州)によると、除草薬ではその差が4倍になることもある。
グーグル・ベンチャーズが出資するFBNは、農家向けに助言や農業用品販売を行っているほか、16年は全米の農薬販売価格を調べる農家向けのサービスも始めた。農家はこのデータを地元販売店との値段交渉に使ったり、FBNから直接ブランド農薬のジェネリック(後発コピー)版を買ったりしている。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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