共用電動スクーターが急増中〜都市当局は警戒強める

モバイルアプリを使ったドックレス(専用駐輪場のない)方式の電動スクーター・シェアリング(共用)サービス会社バード・ライズ(Bird Rides、カリフォルニア州)とライム(Lime、同)が、投資家からの巨額支援を受けて国内各地への進出を加速させているが、地域当局の抵抗に直面している。

■まずは規則づくり

ウォールストリート・ジャーナルによると、両社は、国内の都市数百カ所で数千〜数万台の共用スクーターを展開するという野心的な計画を打ち出して投資家から合わせて9億ドル近い資金を調達。

バードは創業わずか16カ月にして時価総額20億ドル、ライムは創業20カ月で11億ドルと、10億ドル超えの最速記録を打ち立てている。

この分野ではほかにも数社の新興企業があるほか、ウーバーやリフトといった配車サービス大手も市場参入を計画している。しかし、こうした企業の急成長を阻む規制を導入する都市が増えており、台数の制限や、サービス導入自体を規制する例もある。

これらの企業のやり方は、当局が新しいルールを作る前に消費者の支持を得て、自分たちに有利なルールを得たウーバーやリフトを連想させる。しかし都市側は今回、これまでより強気の対応を見せている。スクーターの取り締まりは比較的簡単で、違反車はスマホとトラックで発見、押収できるという理由もあるが、リフトやウーバーにはおとなしく従いすぎたと感じている都市も多い。

中国などではよく似たドックレス方式の自転車シェア事業が普及した結果、歩道が混み合い、川に自転車が捨てられるといった問題も生まれている。

各地の交通当局は、車の交通量を減らし輸送手段を多様化させるという観点から基本的にはスクーターを歓迎しているが、歩道や車いす用の斜面をふさいだりしないよう、安全重視の規則を当局主導で作りたいと考えている。

■違反車は押収

現在、少なくとも7都市が両社のスクーターを押収し、規制導入までサービス開始を禁止しているほか、マイアミやインディアナポリスなどでは規制を検討する期間中のサービス停止命令が出されている。

テキサス州オースティン、サンフ ランシスコ、ワシントンDCなど、当面は1社当たり数百台と両社の目標よりはるかに少ない台数に限定する都市も増えている。

コロラド州デンバーでは2018年5月、バードとライムが許可なく数百台のスクーターを市内に配置したため、すぐに市職員がバンで出動し300台以上を押収した。市はその後スクーターの配置数を1社当たり250台に制限する規制を作成した。

ロサンゼルスは比較的スクーターを歓迎しており、1社当たり数千台の配置を認める計画だが、バードと市が交渉中だった6月に同社がダウンタウンに大量のスクーターを配置したため、市はサービス停止命令を出した。

サンフランシスコは5社に営業許可を与える計画だが、ルールの策定を待つようにとの当局の要請を無視してサービスを開始したバードとライムに何らかの罰が下されるかどうかが注目されている。

バードとライムの両社は、サンタモニカやメンフィスのような、より緩やかな方針をひな形として導入した都市を例に挙げながら、厳しく規制する都市は最終的には少数派になると見ている。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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