エネルギー供給コストを最適化 〜 新興企業のイノワッツ、機械学習で台頭
- 2015年9月28日
- 環境ビジネス
電力会社やエネルギー小売会社をおもな対象とする機械学習プラットフォームを開発する新興企業のイノワッツ(Innowatts)は、エネルギー・コストの削減サービスによって好調に成長している。
同社は2014年に、リライアント・エネルギー(Reliant Energy)の元社員シド・サクデヴァ氏によって設立された。
グリーンテック・メディアによると、リライアントで供給と調達の責任者を務めた同氏は、効率化技術を開発する企業多数から企画提案を受けたが、リライアントの望んでいるような産業用途の特徴に欠けるものがほとんどだった。
「経済性に対して明確な視点を持っていないものが多かった」と同氏は指摘する。
同氏はそこで、リライアントを退職してイノワッツを設立した。エネルギー小売会社や電力会社、そしてその顧客のコスト削減を支援することを目指している。
「エネルギー供給コストを最適化し、個別の顧客データのレベルで需要を予測できるようにする」と同氏は説明している。
イノワッツの機械学習プラットフォームは、スマート・グリッドのデータや気象情報、資産データを活用して、最終負荷を個別に予測する。2014年夏の設立以来、すでにエネルギー小売4社と電力会社3社を顧客として取り込んでいる。
同氏は、スマート・メーターがすでに導入されている地域から顧客開拓を始めたが、いまではスマート・メーターがない地域でも同社のプラットフォームを使えるようになった。同プラットフォームを導入することで、顧客への電力供給のコストを20%以上削減できる、とイノワッツは説明している。
たとえば、エネルギー小売のジャスト・エネルギー(Just Energy)は、電力供給のコストと顧客維持のためにイノワッツのプラットフォームを使い、顧客の電気代が一定以上に達した場合に通知を発することによって、顧客側の不払いを予防するといった目的にも役立っている。
イノワッツはヒューストンに拠点を構え、これまでに100万ドルを資金調達した。当面は北米市場、特に規制緩和の進んだ州をおもな標的市場とするが、欧州とアジアでも試験導入をすでに実行している。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる
-
アマゾンや小売大手ら、頻発する返金詐欺で巨額の損害 〜 詐欺集団ら、ティックトックで協力購入者たちを募集