壁に塗るだけで殺菌効果〜塗料大手が画期的製品を開発

 塗料大手シャーウィン・ウィリアムズ(Sherwin-Williams、オハイオ州)は、感染症を引き起こす危険なバクテリアを殺せる室内用塗料「ペイント・シールド(Paint Shield)」を開発した。

 USAトゥデイによると、ペイント・シールドはブドウ球菌、大腸菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)といった細菌を99.9%以上死滅させるとして、環境保護局(EPA)の認証を獲得しており、医療施設やロッカールーム、学校、デイケアセンター、ホテル、住宅、クルーズ船など多くの用途が考えられる。

 クリーブランドの本社研究員が開発した独占技術を生かした特許商品で、第三者機関の試験でも健康関連効果や安全性が証明されているため、EPA指針に従って「抗菌塗料(antibacterial paint)」の表示が認められている。これまでも添加物を塗料に混ぜて「抗菌塗料」と呼ぶメーカーや、大学の科学者が研究室で画期的な抗菌塗料を発明したという例はあったが、シャーウィンの塗料は、普通の抗菌商品のように微生物による塗料の腐食を防ぐだけでなく、塗って2時間で塗装面の細菌を死滅させるという点が大きく異なる。

 クリス・コナー最高経営責任者(CEO)は「150年近い当社の技術革新の歴史の中でも最も大きな飛躍的前進の1つ」と話す。ペイント・シールドには590色あり、普通の塗料と同様にはけやローラーで塗ることができる。価格は1ガロン84.99ドルで、同社の平均的な室内用ペイント(29.99〜79.59ドル)より高め。全米に4000店以上あるシャーウィン・ウィリアムズの店舗で2016年第1四半期に発売する。

 市場調査IBISワールドによると、シャーウィンは国内シェア11.3%の米塗料第2位で、首位はPPGインダストリーズ(21.3%)、3位はバルスパー(8.6%)となっている。

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