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スキルアップ&キャリアップ
生涯学習スクールガイド
- 2016年10月1日
- 2016年10月号掲載
ベーカリーを開業する
- 履修科目:パン作り
- スクール:Liaison Project
- 拠点:ロサンゼルス、日本
- 詳細:http://liaisonproject.jp
2009年に立ち上げて以来、日本国内に120以上のベーカリーの開業支援を手がけ、その勢いはアジア各地にも及ぶ、ベーカリー開業支援のリエゾンプロジェクト。パン作りと聞くと、長年師匠の元で修行した職人によるものだと思いがちだが、リエゾンプロジェクトはその固定観念を打ち砕いた。受講者は5日間の研修で、パンに関する理論を学び、製パンの技術指導を受ける。研修後、開業希望者は開業のコンサルティングを受けることで、着実に夢を実現させることができる。研修でマスターできるパンは、食パン、カスタードクリームパン、カレーパン、全粒粉パン、クロワッサンをはじめ、実に15種類。それだけ店に並べることができれば、もうベーカリーのラインナップは完成したも同然だ。
22歳でベーカリーを立ち上げ業界歴36年の河上祐隆さんが同プロジェクトの創始者だ。国産小麦から作った無添加の生地を、少量ずつ何度も焼き上げる手法を確立したことで知られ、彼が手がけるフレッシュな焼きたてパンは、自ら経営するベーカリー「おかやま工房」のファンに長年愛されてきた。その人気のパンのノウハウを、広くベーカリー開業希望者に提供することで、世界中に「焼きたての安心素材のパン」を普及させていこうというのがプロジェクトの使命だ。
そのプロジェクトが遂にロサンゼルスに上陸、現在、受講時間3時間、参加費50ドルで、試験的にパン作りのワークショップを開催している。米国法人Liaison Project USA Inc.を担当するロッキー米山さんによると、年内には日本と同様の短期間で製パン技術を取得出来る研修プログラムをアメリカでも始動させる予定だという。
「海外ではインドネシアや中国に当プロジェクトが支援した店が開いています。アメリカにはたまたま1件、支援してほしいという話があり、代表の河上が市場を見に来たところ、日本のパンが浸透する余地は十分にあると見て、拠点を設けました。そこでこの場所に、パン作りの機械を一式入れて、今はパン作りに興味がある方に声をかけてワークショップを開催しています。3時間で15個から20個くらいのパンをお持ち帰りいただくこともでき、非常に好評です」
では、一体どのようなパンが焼き上がるのか? 実際に米山さんが焼いたカレーパンを試食させてもらった。もっちりした食感で自然な甘みが感じられる。これだけのクオリティーのパンを作るのだから、さぞ米山さんも業界歴が長いのだろうと思ったら、「もともと飲食業界にはいましたが、パンの経験はほとんどありません。5日間の研修でパン技術を取得しました」と言われて驚いた。米山さんこそ、未経験者でも食べた人を満足させられるパン作りの腕をリエゾンプロジェクトで伝授してもらえる生きた証拠というわけだ。
近くスタートするパン作り研修の舞台は、ワークショップの会場でもあるロサンゼルス郊外のガーデナの米国本社。研修の参加費は1人1000ドル予定。ロサンゼルス以外から参加する場合でも、往復の旅費と研修期間中の宿泊費をプラスすれば、ベーカリー店主として起業できる下地を身につけられるのだから、本気の開業希望者にはリーズナブルな設定。
ちなみにアメリカでベーカリーを開ける場合の目安となる資金は規模にもよるが、最低20万ドルほど。「日本なら1200万円から1300万円。店の物件はご本人に決めてもらいますが、弊社で機械も紹介し、設置のレイアウト、機械のテスト、焼き方のスケジュールの組み立てまでコンサルティングします」(米山さん)
最後にどのような人がベーカリーを成功させられるかを聞くと、「パン屋さんはコミュニティの人々を繋ぐ存在です。人とのコミュニケーションが好きでコミュニティを作っていける方なら成功できると思います」という回答が返ってきた。
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